久々に、見た彼女は、別人に感じた。
再会
。
高校で、同じクラス。所謂クラスメイト。
高校の頃は、対して目立たないタイプ。
俺は、話した事もなかった。
いつも、眼鏡を掛けていて、読書をしている。
制服は、規定通り。
生徒会に立候補して、副会長をやっていた・・・かな。
対して、印象はない。特徴もない。
すぐに、忘れてしまいそう。
恋人だって、こんなんじゃ出来ないだろうと思っていた。
そんな感じ。俺の中の、彼女の印象は。
それ以外、何もない。全くない。
真っ白。白に等しい。
そんな彼女に、同窓会であった。
まさか、彼女だとは思わなかった。信じられなかった。
どうしたんだ?
何か、心境の変化があったのか?
綺麗だった。本当に。
可愛いと言うよりも、美人と言うべきだろうか・・・。
俺は、そんな気がした。
眼鏡を掛けていない。
それだけでも、印象が違う。
少し、化粧をしたのだろうか?だが嫌な感じは受けない。
髪は・・・以前より大分伸びた。
腰まであるのだろうか・・・・。綺麗だ。
何もかも、綺麗に見えてくる。
それに、笑う様になった。
今まで、の笑顔を見た事がなかった。
もしかしたら、笑っていたのかも知れないが、俺は、見た事がなかった。
俺は、彼女に釘付けになった。
同窓会の間中、しか見えていなかった。
見ようとも、思わなかった。
に、話し掛けたい。
だが、それは叶わない。
俺の周りには、沢山のクラスメイト。
どうしても、俺の行く手を阻む。
こんなにも、邪魔だと思った事はなかった。
(邪魔だな・・・。畜生。態とやってんのか?)
結局、同窓会では、話が出来ず。
俺は、苛々していた。
「跡部君・・・・だよね?」
突然、話し掛けてきた。
誰だろうと、振り返ると、そこにはがいた。
正直、驚いた。
まさか、が話し掛けてくるなんて。
こんなの、予想外。
嬉しいと、素直に思えた。
「やっぱり、跡部君か。」
「・・・だよな。お前、変わったな。」
そう、お前は、変わった。
一体、何があった?
何が、お前を変えたんだ?
「跡部君は、変わらないね。」
が、そう言った。
突然だった。
俺が・・・・変わっていない?
何、言っているんだ。
他の奴には、変わったと言われた。
それなのに、は、変わっていないと言った。
どういう事だ?
何が、変わってないって言うんだよ。
お前、何を言っているんだ。
「跡部君は、相変わらず。皆に人気で・・・容姿も変わっていないし、考え方も。
さぁ、何が変わったって言える。環境?年齢?人間関係?ねぇ、何でしょう?
私は、変わった。見た目だけじゃない。そう・・・・変わった。考え方も、変わった。
性格は・・・・まぁ、流石に変わっていないけれど。さぁ、教えて。跡部君。」
「俺・・・・は・・。」
何が、変わった?
一体。
俺は、何が変わったんだろうか。
分からない。何も、変わっていない気がしたから。
どうしてなんだろう。
考えた事がないからか?考えれば、浮かんでくるか?
分からない。そんなの。
「・・・・・・・・・・・・・・・あぁ。あったぜ。」
あった。
よく、考えたら出てきたんだ。
そう、これは変わった。
自信が、ある。変わったってな。
これから、どうなるかは分からないが、確かに変わったんだ。
知りたいか?。
お前は、知らなければいけない。
俺が、そう決めたんだ。だから、言ってやる。
そうだ、これは、お前が知らなければ意味がない。
ここから、先には進まない。無意味になってしまう。
この、再会が俺を変えてくれた。
感謝するぜ、お前に。