君がいれば、それでいい。
俺の隣で、微笑
んで
俺は、他は要らない。
そう思わせたのは、俺に、思わせられたのはだけだろう。
は、一つ違いで、俺の後輩にあたる。
一目見た瞬間に、俺は、自分の遊びの女に良さそうだと感じた。
容姿は、俺と釣り合いが取れそうな感じがした。それ程までに、彼女は美しかったんだ。
化粧なんかしなくても、十分過ぎる美貌。
だから、俺はを自分の遊びの為だけに俺の”モノ”にしたんだ。
だが、可笑しい。
どうも調子が狂う。他の女ならば、こんな事はないのに・・・・・・・・・。
は、他の女とは違う。何かが、違うんだ。
お前、なんで俺に何も言ってこない?
「何なんだよ。あの女・・・・・・・訳がわからねぇよ。」
本当に、調子が狂う。
そんなに、苛々している”俺”と、他の女といる時に罪悪感を感じる”俺”が、いた。
「景吾、お話があります。」
を、”モノ”にして、半年が経ったある日。
俺は、初めてから話し掛けてもらった。
可笑しい。
俺は、そう感じた。
は、笑っていない。
何時もなら、疲れも嫌な事も忘れてしまう様な微笑みを浮かべているのに。
今日は、雰囲気が違う。
そう感じたと同時に、嫌な予感がした。
「・・・・・・・・・・・・で?話しってなんだよ。」
心臓が、破裂してしまいそうな程、ドクン、ドクン・・・・・・と脈打っているのが分かる。
「別れて下さい。」
嘘・・・・・・・・・・だろ?
いや、何だよ。これは・・・・・・。
何故、こんなにショックを受ける必要がある?俺は、”遊び”でと付き合っていたんだ。
来るモノ拒まず、去るモノ追わずの俺が、どうして、こんなに哀しい気持ちにならなければ、いけない?
「お話は、それだけです。この半年・・・・・・・・・・もう十分。
景吾、貴方は、楽しんだのでしょう?ですから、もう私を貴方の鎖の一部から外して下さい。
私は、貴方から離れる事を望みます。」
「い、嫌だ・・・・・。俺・・・・・。」
胸が締め付けられる。哀しさが胸に広がり、俺の感情を支配してしまう。
「景吾、お元気で・・・・・・・。」
は、笑った。
今日、見せなかったあの笑顔を。初めて、見せた。
最後の、最後の、最後の笑顔。
俺だけの、”モノ”である笑顔。
「何だよ・・・こ・・れ・・・・・・・・・。」
涙が、流れた。
自然と溢れ出してくる。この涙。
どうしてかは、分かっている。が、離れたから。
俺の元から、いなくなってしまったから。
もうは、俺を見てくれない。振り向きもしてくれないだろうか。