「忍足って奴は、何処のどいつだ。」
In this encounter thank you
それは、突然の出来事だった。
いきなり部室のドアが開いたと思うと、そこには一人の女が立っていた。
「おい、忍足。御指名だぜ。」
その時の俺は、何も感じていなかった。
「ん?ごし・・・・・・っ・・・・げっ・・・・・・・・!!!!」
忍足は、顔を真っ青にしていた。
口の端を引き攣らせ、後ろへと後退している。
そんなに、この女が恐ろしいのか?
まさかな・・・・強気な感じはするが、恐ろしいという訳でもない気がするんだがな。
大体、眼鏡に一つ縛り・・・・制服のスカート丈は、規定通り。
こんな女を、どうして怖がる?
「よぉ、眼鏡。泣かせたんだって?」
「え・・・・ちがっ・・・・・・それは、勘ち「煩い。言い訳なんかするな。男ならさっさと殴られろ。」
女は、忍足に近付いていく。
俺は、横を通り過ぎる女の顔を見た。
眼鏡を掛けていたから、断言は出来ないが、なかなか整った顔をしていた。
「を泣かせるとはな・・・・私と約束しただろ?それを破るなんて良い度胸をしている。」
「い、いや・・・だからな?あれはの勘違いなんやて!浮気なんかしとらん!俺は、一筋や!!」
「ふっ・・・・・そうかそうか。もう良いか?言う事は、それだけか?だとしたら、もう良いよな。」
女は笑っているが、目は笑っていない。
ふぅん・・・・かなり強気な女みたいだな。
「面白い。おい、そこの女。」
「何だ。邪魔するなら、お前もただじゃおかないぞ。」
「邪魔する気はねぇよ。殴りたいなら、殴りやがれ。」
そう、忍足が殴られる様な事をしたのならば、殴られるのが当然だと俺は、考えている。
俺が言いたいのは、そういう事じゃない。
「そうだな・・・・取り敢えず、名前教えろ。」
「私に命令するな。」
尚も忍足の制服の襟を掴んだまま、俺を睨み付けてくる。
俺はその瞳を、気に入った。
今まで、こんな女がいたか?
俺に、臆する事ないその態度。
こういう女を、望んでいたのかもしれない。
「んん・・・・・っ・・!?」
俺は、女を忍足から引き離し、自分の唇を押し当てていた。
「おま・・・・っ・・・いきなり何するんだ。」
「あーん?キスしたんだよ。分からなかったのかよ。」
俺は、指で女の唇をなぞる。
コイツが俺の女になったら・・・・・そう考えると歓喜の震えが全身を襲う。
「おい、お前等。今すぐ出ていけ。」
「は?まだ着替え終わってないんだけど。」
あぁ、煩い。
俺は、早くこの女と二人きりになりたい。
仕方ない。
俺達が、出ていくしかなさそうだな。
「行くぞ。」
「はぁ?行くっ・・・・おい・・・!!!」
女を肩に担ぎ上げ、部室を出ていく事にした。
何やら文句を言っているが、そんな事は気にしない。
「大人しくしてな。お前に悪い事はしねぇよ。」
「・・・・・・・・・だ。お前って呼ばれるのは、嫌いだ。」
か。
「・・・・・・・・・・・・・・・・あん??」
ちょっと待て。
だと?
こいつが・・・・・俺を学力テストで負かしだ女?!
あの時、俺はショックを受けた。
まさか、俺を負かせる女がいただなんて・・・・・・。
「益々・・・・・面白くなりそうだな。」
俺は笑いながら、歩き出す。
きっと次の日には、噂になっているだろう。
その時の、の顔が見物だな。