「・・・・・・・・。」


















































In Ordnung





















































「いっ・・・たた・・・っ・・・。」






「・・・・・・・・・・・。」


































正直、不思議な事で頭が一杯だ。





どうして、何もない場所で転ぶんだ。





どやったら、その大技を使えるんだ。
























「あぁぁぁ・・・・ノートが・・課題が・・・・皆さんの物が・・。」






「・・・・・・・大丈夫か?」













俺は、女のノート拾いを手伝った。





ただ、見過ごす事が出来なかったから。





その時に、一瞬彼女の顔を見てみる。






















・・・・・・・何て女だ。



いや、綺麗としか言えない。



回りくどい言い方は、好きじゃない。



彼女は、綺麗だった。



この俺が、見惚れてしまう位に。




































(二年か・・・・・成る程な。三年の俺には、なかなか会う機会がない訳だ。)











































「ありが・・・・あぁ・・・眼鏡・・・・眼鏡を・・・。」







ノートを全て拾い上げた後、彼女は眼鏡を拾い、掛ける。



似合わねぇもん掛けてるな・・・・・。



目が、悪いのか?



だから、転んだのか??






















「では、これで・・・・・。」












俺に向かって、深々とお辞儀をする彼女。
























































「・・・・・・・・・・・。」






















































「あぁぁぁぁぁ・・・・!ノートが!!」




























この女・・・・馬鹿なのか?





あんだけ深々とお辞儀すれば、ノートは崩れ落ちるに決まっている。





どうして、考えつかないんだろうか。





普通、分かるだろうよ。


























「・・・・・・・・・貸せ。」






やってられない。





こんな状況じゃあ、気になって気になって仕方がないだろう。





それなら、無事に職員室に辿り着くまで送るしかないだろう。





ノートを奪い、俺は歩き出す。



















「は・・・・あの・・・・・?」





「行くんだろ?職員室に。送ってやるよ。お前、危ないんだよ。」























それ以上は言わずに、俺は歩き出す。
















彼女は、付いてくる・・・・・と思ったら・・・・。



























































「いたたた・・・・・。」







「お前・・・・何で、そんなに転ぶんだよ。」







「え、さぁ・・・・分かりません。」












彼女は、何度も転んだ。





何度も何度も、転び続けた。





しかし、傷は一つもない。














奇跡だ。





あぁ、これが奇跡なのかも知れないな。





俺、奇跡を見たのか。





















「職員室に、無事に着くんかよ・・・・・こんなんで・・・。」



「大丈夫です。辿り着きます。以前は、一時間掛かりましたが、今日は三十分で着きそうですね!」






































・・・・・・・・・・・・・。


















































冗談じゃねぇよ。







そんなに、時間掛けて職員室に行きたくねぇよ。







そんなんなら、違う場所に行きてぇよ。




























「さぁ、行きましょう!」



「職員室に行くのに、そんなに意気込む必要ないだろうが・・・。」



















不思議な女だ。





なかなか、面白い。





だが・・・・・この顔、何処かで見た事があるんだよな。





気のせいか?













































「やっと着いたか・・・・・。」





「有り難うございました。無事に、着きました!」





「あぁ、良かったな。二十分で着いたぜ。自己最高記録じゃないか?」





「はい、そうですね。最高です。」










あの後、それ以上転ばない様に、手まで繋いだ。





初対面の女と、手を繋ぐなんて・・・・。





恋人じゃない女と、手を繋ぐなんてな。





明日、噂にならないだろうか。





新聞部に、記事を書かれないと良いんだが。







































「では、私はこれで。」



「おい、待てよ。名前位教えろよ。」



「は?名前??あぁ・・・・名前。私、と言います。」



「あん?・・・・・・?」




































































って・・・・・。





















































だと?!!!」








「跡部ー!!!!」













嫌な予感がした。





そして、その予感が的中した。


























「ってぇな!!何しやがる!!!」








「アンタ・・・・私の妹に、手を出すんじゃない!妊娠するでしょ!他の女に触ってる汚い手で触んな!!」








「出してねぇ!しかも、妊娠なんかしねぇ!!保健で何を学びやがった!あぁん!?」



































俺の、クラスメイト。





噂によると、妹を溺愛。





その噂は、本当だった。





コイツ、俺の顔面殴りやがった。





俺の・・・・俺様の美顔を・・・・。





































「跡部、手ぇ出すんじゃないわよ!」



「うるせぇなぁ・・・・。」












俺がどうしようと、勝手じゃねぇか。





こんなに気になる女は、何処にもいねぇよ。







































「悪いが、お前の妹に興味持った。手を出させて貰うぜ。じゃあな、。俺の名前は、跡部景吾だ。覚えておけよ。」







「え?は・・・・?」







「覚えておけって言ったんだ。」




















そう言って、通り過ぎる際に、俺はの唇に軽く口付けた。





後で、が何か言っていたが・・・・まぁ、気にする事はねぇ。















































「・・・・・・・・・まぁ、明日が地獄かもしれねぇがな。」

























本当に、地獄になるのは、また別の機会に。