今日こそは、君を・・・・君の心を奪わせて貰うよ。
想い。
初めに、彼女を好きになったのは、僕の方。
彼女は、僕をただのクラスメイトだと思っている。
何故、気付いてくれないんだろう?
もしかして、気付いておきながら、僕に恋愛相談なんてするの?
僕の心の中の叫びなんか、君には聞こえない。
ただただ、嬉しそうに好きになった男の事を話してくる。
それを、ただ笑顔を浮かべたまま、聞いているなんて我慢できない。
いや・・・・初めは我慢していた。
いつかは、僕の事を、一人の男として見てくれるだろう・・・・なんて、淡い期待を持ちながら。
「不二。」
突然、背後から、僕を呼ぶ声がした。
「じゃないか。どうしたの?」
僕は、いつも通り笑顔で答えた。
そんな僕とは、反対に、は悲しい表情をしている。
一体、何があったのだろう。
まぁ、僕には大体予想はついているけれど。
「ハハ・・・・別れちゃったよ。」
_________やっぱりね。
心の中で、僕は思った。
だから、言ったじゃないか。
あんな奴は、の事なんて、全く分かっていないんだから。
僕の方が、君の事を分かっている。
悲しいのに、態と明るく振る舞って。
泣きたいのに、その場では泣かずに、一人で声を抑えながら泣いている君。
どうして気付いてくれないんだい?
こんなにも、僕は、君を想っているのに。
こんなにも、愛おしくて堪らないのに。
ずっと・・・ずっと、君の事だけを考えて、他の子なんか見る事も出来なかった。
が、他の男と居ればいる程、僕の胸は締め付けられる。
痛い・・・・とても、痛いんだ。
「私、男運ないのかもね。暫く恋はするのは止めようかな・・・・。」
恋をしない?
それは、困る。
僕を、この僕だけを想って貰わないと。
「不二、いつも御免ね。迷惑掛けて。」
「いや、気にしないでよ。」
本当は、気にしてる。
僕は、君をを愛してしまっているから。
「不二に、何かお礼が出来ると良いんだけど・・・・。」
僕に・・・・お礼?
「なにかさ、私で出来る事があったら言ってよ。」
は、笑顔で僕にそう告げた。
チャンスだ・・・・。
今しかない。
言うなら今だ。
こんどこそ、君を貰うよ。
貰ったら、もう二度と君を離さない。
これから、僕たち二人だけの話が始まるんだ。
・・・・僕だけを見て。
そして、愛して。
君の瞳に映るのは、この僕一人だけで良いんだから。
「じゃあ・・・一つだけ・・・・。聞いて貰って良いかな?」
君に告げよう。
今まで言えなかった言葉を。
愛しい言葉を。
そして、僕から逃れられない呪縛の言葉を。
「君の全てを、君の一生を、この僕にくれないか
。」