どうしても、分からないんだね。
分かってくれるまで
「何で、分からないの?」
「分からないから、分からない。」
「その方が、分からないな・・・・。」
は、分かってくれない。
僕が、どんなに言っても、話すら聞き入れてくれない。
これは、硬直状態。
僕の話を、聞いて。
お願いだから、聞き入れて。
「ねぇ、不二。私は、同じ大学には、行かない。」
「だから・・・・どうして?」
「私には、私の行きたい場所があるの。その大学じゃなければ、いけない理由がある。どうして、分からない?」
「分かりたくないよ・・・・・。」
と、離れる。
今まで、ずっと一緒にいたのに。
そんなの、嫌だ。
何度も、説得した。
けれど、の意志は・・・・とても堅かった。
たやすく、崩すのはとても困難。
は、僕と一緒じゃなくても平気なの?
こんな風に思っているのは、僕だけ?
「そんなに離れるのが嫌なら、何時も何時も一緒にいてくれる女を捜した方が早い。」
「な・・・・に・・それ・・・・・。本気で、言っているの・・・・?」
それは、遠回しに“別れよう”と言っている事と、同じ。
は、僕と別れるつもりなの?
嫌だ・・・・・嫌だよ。
君と出会ってから、ずっとずっと君しかいなくて。
僕は、君と最後の最期まで、一緒にいたいと考えているのに。
「お前が、諦めるべきだ。」
「・・・・・・どうして?」
手塚に、相談した。
そうしたら、諦めろって言われてしまった。
「には、のやりたい事がある。それを理解してやれ。彼女を、後どの位束縛したら気が済むんだ?」
「君には・・・・分からないんだ。同じ大学に行ってくれる、恋人を持つ君には・・・・・。」
きっと、誰も分かってくれないんだ。
僕の想いは、僕にしか分からない。
きっと、何もかも分かち合うのは無理なんだね。
きっと、ごく一部なんだ。
本当に、一握り位しか、分かち合えないんだと思うよ。
「悔しいな・・・・・。」
「じゃあ・・・・ね。。」
「あぁ、元気で。」
「も・・・・ね・・・。」
結局、別れる事はしなかった。
別れるなら、待っていた方が良いから。
は、別の土地へと向かう事になり、僕は東京に残る。
遠距離恋愛なんて、初めてだけど・・・・・大丈夫だろうか。
心配で、たまらない。
が、他の男と仲良くなるなは、許せない。
「大丈夫だ。これがあるからな・・・・。」
「それ・・・・・。」
は、左手を見せてくれた。
彼女の薬指には、指輪が嵌まっていた。
それは、僕がプレゼントしたモノ。
安物だから、正式なのは、また後日・・・・そういって、に渡した指輪。
「魔よけだ。しかも、強力な・・・。」
「・・・・有り難う・・・。」
僕は、泣いた。
泣かない努力をしたのに、その努力は無駄だった。
。
この“さよなら”は、別れの“さよなら”じゃ、ないよね。
これから、新しい僕達に生まれ変わる為の“さよなら”だよね?
僕は、そう信じたい。
そう思いながら、元気よく手を振って、君の旅立ちを見送った。