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僕の、誕生日。








否、僕の誕生日“だった”と言った方が正しいのかもしれない。








もう、過ぎてしまったから。








あの日、彼女は来なかった。








約束した、時間。








約束した、場所。








約束した、プレゼント。








どうして、来てくれなかったのか。








理由を聞きたくても、彼女は僕と会おうとしない。








電話をしても、メールをしても、教室に・・・・行っても。








こんな誕生日が、あっていいんだろうか。








僕としては、こんな事があってはいけないと思う。








自分が生まれた日・・・・・まぁ、正確には、四年に一度しか来ないけれど。








四年に一度以外は、28日が僕の誕生日。








この日だけは、良い一日になって欲しい。








これは、誰もが思う事なんじゃないだろうか。







































































をさ・・・・捕まえてほしいんだよ。」





「え?いやいやいやいや・・・・・俺じゃあ、に勝てないって!!」





「・・・・・・・・・・・・チッ。」



























意気地無しだなぁ。








僕の為を思って、動いてくれたって構わないのに。








少しは、役に立ってよ。




































「だってさぁ・・・・って、凄いんだぜ?きっと、俺殴られるって!!」





「僕の為に、殴られてよ。英二。」





「無茶言うなよ!命が幾つあっても足りないにゃ!!」





















結局、英二は拒否をし続けた。








今度何か頼まれたって・・・助けてやらないから。








僕の役に立たないなら、僕も助けてあげない。




























































「どうしようかなぁ・・・・。」


























































に、会いたい。








でも、は会ってくれない。








一体、どうしたら良いんだろう。








理由があるなら、言ってほしい。








ないのなら、僕と会って欲しい。






























































(これは・・・もう・・・・・。)























































































「やぁ。」





「・・・・・・何しに・・来たの。」





に、会いに来ただけだよ。」

























僕は、無理矢理彼女の自宅に押しかけた。








これ以上、こんな状況下にいたくなかったから。








は、ベッドの上にいた。








体調が悪いのか、顔色が優れない。
























































「ねぇ・・・・どうして、僕を避けていたの?」





「言う必要は、ない。」





「・・・・・・・頑固だね。」






















らしいと言ってしまえば、それまでかもしれない。








彼女は、頑固だ。








自分で決めたら、他人の意見なんか聞き入れようとはしない。








良いようで、悪い。








この性格を、直す気はないのだろうか。

























































「・・・・・・・で?どうして誕生日に来なかったの?」





「体調が、悪かっただけ。」
























































「どうして、連絡をくれなかったの?」





「出来なかっただけ。」
























































「どうして、避けたの?」





「・・・・・さっきも、言った筈。」
























































・・・・・やっぱり、頑固だな。








どうにかして、言わせたい。








の口から、聞きたいのに。








は、僕に秘密を作るっていうの?










































































「プレゼントなら、あるから。」





「そんなの・・・・いらないよ。」














































プレゼントよりも。








秘密の部分を、知りたい。








僕は、秘密を作られるのが嫌だ。




























































「プレゼント・・・・欲しくない?」





「欲しくないよ・・・・。」


































































「本当に、いらない?」





「いらないから、秘密を作らないでよ。」












































































「君との子供が、出来たのに。いらないのか。」













































































・・・・・・・・・・・・・・・今、なんて?







































































「子供??」







「そう。今、二ヶ月。」



































































“今の今まで、気付きませんでした。ハハハ。”
































































は、笑顔で言った。








その表情は、どこと無く照れている様に見えた。












































「産んでも・・・・良いかな。」





「勿論だよ・・・・僕は、大歓迎だから。」























































彼女のお腹には、二ヶ月になる赤ちゃんがいる。








これから、色々と大変かもしれない。








だけど、乗り越えてみせるよ。








僕は、君達二人を護るから。






































































「素敵なプレゼントを・・・・有り難う。」
































































今年の誕生日。








今までで、一番素敵なプレゼントだ。








・・・・・・・まぁ・・・数日過ぎてしまったけれど。