駄目だよ。



















































Non continua


















































続かない。



続かないと思ったら、切り捨てればいい。



今まで、それでやってきたんだから。



今回も、そうしようと思った。



そうするべきなんじゃないかって、馨にも言われた。

手放して、良いだろうか。

彼女・・・・・を、切り捨ててしまって構わないだろうか。























(そうだよな。切り捨てたって、僕の知ったこっちゃない。)



























とは、だいぶ持った方だと思う。

大体、一ヶ月も持たない僕が、一ヶ月以上も付き合えた相手。




楽しかった。




飽きる事も、全くなかった。




でも、もう駄目な気がする。




駄目。




絶対に、駄目。




再生不可能。




巻き戻しなんか、もっと無理。




続行なんか、御免だよ。




此処で、試合終了にしようか。














































































「分かりました。」

































































別れは、意外な程、アッサリしていた。








は、泣かなかった。

“どうして?”なんて、理由を聞かなかった。













ただ、頷いて去って行った。

こんなにアッサリしていると、彼女の気持ちを疑いたくなってしまう。















本当に、僕の事を好きだったのだろうか。

愛していてくれたのか。













































































“私は、宣言しましょう。貴方は、一ヶ月も持てば、嫌になる。”










































































彼女は、そう言っていた。


あの時からは、確信していたんだろう。




僕が、駄目になると。



あの時の僕は、こうなるなんて思っていなかった。


















































































「わっかんないなぁ・・・・。」



「何が?」



は、どうして駄目になるって分かっていたんだろう。」



僕は、隣にいた馨に疑問を打ち明けた。









馨は、考えているのか、“うーん・・・”と唸っている。















別れた日から、既に三ヶ月。

周りの人に、何回、何百回、何千回、と別れた事を聞かれただろうか。

いい加減、止めてほしいよ。


















































別れた、別れた、別れた。



































別れたから、何?

ただの、クラスメイトじゃ駄目なの?

僕達が、どうなったって、周りの人に関係あるの?



































































「なんかさ・・・・嫌だよ。苛々するよ。」



別れてから、半年。

僕は、の事が頭から離れない。









離そうと努力しても、思い出を、掴んで離してくれない。








どうして、離れてくれないの?

彼女が、同じクラスにいるからなの?




















「光、大丈夫?」



「大丈夫なんかじゃないよ。凄く気分が悪い。」















が、他の人と話しているのが嫌だ。






が、僕以外に笑顔を向けているのが嫌だ。






が、僕以外の人と席が同じになるのが嫌だ。






全部、嫌。






何もかもが、嫌だ。








































「苛々する・・・・。」



さんのせい?」



「そうだよ、がこんな風にしたんだ!!」




































そうだ、そうに違いない。




僕じゃない。




が、いけないんだ。







































































「それは、違うだろう?」



「鏡夜先輩・・・・・。」



「俺が見ていた限り、彼女は悪くないと思うが。悪いのは、光、お前だ。」



「何でさ!!僕は、悪くない!!!苛々させるが・・・・!!!」



「お前は、手放したんだ。それなのに、悪口を言う資格はないな。恥を知れ。」



どうして、怒るのさ。

僕は、駄目だと思ったから・・・別れたんだ。

でも、忘れられない。

何?この気持ちは。

を、側においておきたい。

ずっと、側にいたい。

この気持ちを、皆は・・・どう言っているの?
















































































「好きって言うんだよ。光。」



「馨・・・・・・。」



「光は、好きなんだよ。その気持ちは、幻でも、偽物でも、一時の勘違いでもない。本物なんだよ。」
















本物?

















この気持ちは、本物なの?




















僕は・・・・・が、好き?

























「でも、馨・・・・は・・・・・。」



は、僕を見てくれない。

彼女は、僕の手では届かない人になってしまった。




今更気付いてしまった、この気持ち。

これは、何処へ追いやったら良いのだろう。




どうしたら、忘れられるだろう。














僕は、馬鹿だ。




どうしようもなく、馬鹿だ。




これから先、ずっとこの後悔を、背負って生きていかなければいけないんだろうか・・・・。