「・・・・・・・雨。」
僕が
「、何か話してよ。」
「光が、話しなさい。」
「えー・・・・・何で、僕が?」
「話を、したそうだからよ。」
さっきから、これの繰り返し。
エンドレス。
終わるのか、終わらないのか。
僕は、終わらない気がするけれど。
は、どう思うんだろう。
こんな繰り返しを、どう考えているんだろうか。
「それで、馨の服を着て・・・・一体何を?」
「んー・・・・・を、慰めてあげようかと思ったけど、失敗だったかな。」
「そうね。失敗よ。」
作戦、失敗。
僕の楽しみは、“飽き”に変わる。
は、僕と馨を間違えない。
そりゃあ・・・・・初めての時には、間違えたけれど。
誰だって、間違えはあるし。
僕は、腹が立ったけれど。
馨は、全く怒らなかった。
「・・・・・・さぁ・・・いつになったら、忘れるの?」
「・・・・・・・黙秘させてもらうわ。」
「あぁ、その答えだけで十分かも。」
忘れて、いない。
彼女は、今も大事に閉じ込めている。
まるで、大事な我が子の様に。
どうして、そんなに大事なんだろうか。
そこまで大事にして、何の特があるの?
僕は、そうは思わない。
「はさ、僕を好きになってくれないの?」
「何度尋ねても、結果は同じよ。」
これも、エンドレス。
終わりがない、質問。
繰り返し、繰り返し。
無限・・・・・だよね。
でもさ、いつまでも無駄なのに・・・・同じ人間を想って何が良いんだろう。
「僕なら、違うよ?」
「何が、違うというの。」
「を、こんなに想っている。を、大事にする。必要なら、何時だっての元に来るよ?」
僕は、が好きなんだ。
例え、が違う人を好きだとしても。
ずっとずっと、が好きなんだよ。
「・・・・・・・・・なんかさ、似てるよ。僕達。」
「どういう意味かしら。」
「ずっと、同じ人間を想い続けている。しかも・・・・振り向く事がない相手をね。」
「・・・・・・・・・・・。」
「くだらないと、思ったよ。早く諦めたら・・・ってね。でもさ、そんな僕もくだらない人間の一人なんだよね。」
そう、同じ。
相手は、振り向かない。
怒っても、泣いても。
全く、何も変わらない現状。
こんなのって、無いよね。
どうして、こんな風にならないといけないんだろう。
僕を、見てよ。
見て・・・・・見てほしいよ。
「・・・・・僕を・・・見てよ。馨じゃなくて、常陸院光。この僕を見て!!」
「無理よ。」
「・・・・・・・無理じゃない。絶対に、無理じゃない!見れるよ、見れる!!」
「・・・・・光。我が儘を言わないで。貴方を見ていると、彼を思い出すのよ。」
“彼”
は、いつからか馨を名前で呼ばなくなった。
以前は、呼んでいた。
自然に、呼んでいた。
それなのに、馨に恋人が出来たら、“彼”に変化した。
その時だ。
僕が、の好きな相手に気付いて。
僕は、が好きだと感じたのは。
「今は、馨でも良い。それでも、構わない。我慢してみせる。だから・・・・・・だから・・!!!」
“僕の恋人に、なってください。”
「・・・・・・・・・雨・・・ね。」
雨が、降り始めていた。
とても、激しく。
止まる事ない、大量の涙。
僕も、こんなに流れたんだろうか。
僕の目から、溢れたんだろうか。
「・・・・・返事、欲しいんだけど・・・。」
「光は、分かりきった答えを欲しいのかしら。」
分かりきった、答え。
それはきっと、断りの言葉。
僕とは、付き合えない。
常陸院光を、好きになれない。
絶対に、そう言うんだ。
「・・・・・良いわ。付き合いましょう。」
「え・・・・・・う、嘘・・・・。」
「光が嘘だと言うなら、付き合わなくても構わないよ。」
「じゃ・・・・じゃあ、本当なの?」
「そう思うなら、本当よ。」
「っ・・・・・・・・・!!!!」
嘘じゃない。
僕は、嘘と思わないよ。
が、付き合ってくれるなら。
が、恋人になってくれるなら。
「明日は・・・・晴れるかしらね。」
「晴れる。絶対に、晴れるよ!!」
晴れるに決まっている。
だって、僕の心がそうだから。
きっと、空だって僕と同じ気持ちだから。
僕がそう言ったら、はおかしそうに、笑っていた。
“光は、単純ね。”
この言葉は、何だか馬鹿にされている気分になったけれど。
今は、気にしないでおいてあげるよ。