僕は、見つけた。














































The partner who becomes matter of concern




























































人を好きになるなんて、くだらないと思っていた。





好き。




大好き。




愛してる。




全く、どうして簡単に言えるんだろう。















ねぇ、どうして?
































































「ねぇ光。皆、僕達の事を“愛してる”って言うけど・・・実際は、嘘だよね。」







「うん。嘘だよね。僕さ、そういうの信じていないんだよね。だってさ、信じるだけ馬鹿じゃない?
誰も、僕達の事なんか理解していない。分かってくれないからね・・・・・。」







光はそういうと、クスクスと笑い始める。




僕も、そう思ったから、一緒に笑い始めた。
























































「いた。」



























































僕達が笑っている背後から、人の声が聞こえて来た。

光と同時に振り返ると、そこには同じクラスのが立っていた。








「なんだ、か。何?何か用?」



「日直。」





彼女は、ただ一言だけそう言った。









嬢。

彼女は、いつも簡潔に用件だけを言うだけ。

無駄な事は、言わない。

言わないのには、何か理由があるのだろうか。










「早く。」









考えている僕に向かって、二言だけを言い、この場から去っていってしまった。













「相変わらず、無愛想だよね。彼女。」



「うん。取り敢えず呼ばれたから行ってくるね。」



僕は光に挨拶をして、教室に向かった。
















































さん。遅くなって御免ね。」



「黒板を。」



教室に戻ると、さんは日誌を書いていた。

僕が、謝ると同時に、ペン先で汚れてしまっている黒板を指す。












(どうして僕が、あんな汚い黒板を綺麗にして、彼女は日誌を書くんだろう・・・・・。)












制服が、汚れてしまう。

嫌なんだけど・・・・・な。

代わりにやってくれないかな。

日誌なら、いくらでも書けるから。

喜んでやるのに・・・・・。



































































「邪魔。」



突然、彼女が僕の手から黒板消しを奪った。

一体・・・・・と思っている僕に向かって、日誌を投げ付けてきた。






「書いて。」






「え・・・・あ・・・うん。」






呆気にとられたまま、僕は席に着いて日誌を書き始める。

その途中、視線だけを彼女へと向けてみた。




さんは、制服がチョークの粉で汚れるのも気にせずに、黒板を綺麗にしていく。

そんな彼女を見ていると、自分の考えていた事が恥ずかしく思えて仕方がない。




















「ねぇ、どうして嫌がっているのが分かったの?」



僕は、思い切って聞いてみる。

聞いてみたかった、表情にさえ出さなかったのに、何故分かったのかを・・・・。

































































「雰囲気。」

































































僕の質問に対する答えも、彼女は簡潔にしか言わない。












“雰囲気”











確かに、さんはそう言った。


ちょっと・・・・理解しかねるな。


雰囲気と言われても、醸し出していない気がするんだけれど。







「あの、もう少し具体的に・・・・人に分かるように話せないの?」







「理解しなさい。」










さんはそう言って、僕が書いた日誌を奪い取る。

















「また明日。」

















それだけを言い、鞄を持って彼女は教室を出ていってしまう。

















「また明日・・・・・ね。」









何だか、見つけてしまった気がする。


いや、見つけたと断言しても良いかもしれない。











「光に、報告しないとね。」



僕は、光達がいる音楽室へと向かう。

明日、彼女を誘ってみようかと考えながら・・・・。