見つかる筈が、ない。
慌てて、捜す。君を
いない。
存在、しない。
何処に行ったのか。
何も告げず。
誰にも、言わず。
あぁ・・・・・愛しき人。
僕を、どうして置いていったの・・・・。
「馨さん。」
あの時の彼女は、笑っていた。
「今日は、ホスト部は無いのですか?」
そう言った時も、彼女は笑っていた。
「うん。御免・・・・今日もあるんだ。」
僕がそう言った時、彼女は悲しそうな顔をした。
「また、明日・・・・・。」
“また明日”
そうやって、僕達は別れた。
次がある事を、思って。
また明日、会えると願って。
「嘘だ・・・・・。」
が、消えた。
彼女が、いなくなった。
いなくなって、しまった。
「ねぇ・・・・・それ、どういう意味?」
「どうもこうも、いなくなったとしか説明できない。」
「ね、ねぇ・・・・僕を驚かせようとしているんでしょう?そうだよね?」
「事実だ。」
氷の様に、冷たかった。
あんな声で、即答されるなんて・・・・・。
「・・・・・。」
返事は、返ってこない。
「・・・・・ねぇ・・・・・・。」
返ってくる筈が、ない。
「何処に・・・・・いっちゃったの・・・?」
返事なんか、ないんだ。
「・・・・・・・こういう時は、“安らかに”っていうべきなのかな?」
安らかに。
安らかに。
安らかに。
ヤスラカニ、ネムッテクダサイ。
ボクモ、キミノモトニイクカラ。
ゼッタイニ、コバマナイデ?