切原赤也。
何だか、変な奴だ。
可笑しな、存在
。
切原赤也。私の、高校の後輩。
可笑しい奴。
出会いは、良くない。
彼奴は、私の楽しみを、壊した。
壊して、破壊して、バラバラにして、元の形に戻してしまった。
何て事をするのだろうか。
私の邪魔をする奴は、敵とみなしても良いと考えている。
だから、敵にしようとした。
けれど、あの時は、そんな風に出来なかった。
それ以来、切原とは、良くあの公園で会った。
どうやら、帰り道にこの場所を通るのが、好きと見た。
視線を感じる。
奴に、会う度に。
そう、きっとこう思っている。
心の中で、きっと、こう言っている。
“この場所に、居るなよ
”
あぁ、煩い。
なんで、こんなに煩いんだ。
私は、好きな事をやっているだけ。
それなのに、それを邪魔しようと言うのか。
変な奴。
ある日、嬉しそうにやって来た。
どうやら、嬉しい事があったらしい。
気安く、話し掛けてくる。
どうやら、誕生日だったらしい。
そうか。誕生日か。
だけど、私には、関係ない。
だって、祝ってやる義理など無い。全く。
此奴は、可笑しい。
昨日の今日で、態度が違う。
変な奴だ。
お前は、変な奴だよ。
目で、私に名前を呼んで欲しいって言っている。
名前?
何故だ?呼んで欲しいのか?
ふぅん。
可笑しいな。
何だか、気分が可笑しくなりそうだ。
私は、その時、祝いの言葉を言ってしまった。
言わないと、決めていたのに。
でも、自然に出てきてしまった。その言葉。
今度は、構って欲しいと言ってきた。
何を言っている。
私の、ドミノを邪魔するな。
折角、良いところまでいっているんだ。
ドミノは、集中力が、必要なんだ。
集中が、大事なんだぞ?
最近は、切原の部屋にいる。
理由は、分からない。兎に角、居たいからいるだけ。
彼奴の、両親とも、仲良くなった。
夕飯を食べたりなんかもさせて貰っている。
羨ましい。
そう感じた。本当に。
実際、私の家族は外国で。
居るのは、私一人。
だから、こういった雰囲気の中で食事は無かった。
切原が、羨ましい。
家族に、恵まれている。
私は、自由だけれど、こういう事は分からない。
こう言うのが、家族愛?
「先輩!!!」
今日も、切原が、やって来た。
相変わらず、元気。
その元気は、一体何処からやって来るのか。
私には、想像出来ない。
「何だ。今日も、元気な奴だな。」
「エッヘヘ。今日は、先輩の家に邪魔します!!」
「断固拒否する。冗談言うな。」
可笑しな奴。
今日は、私の自宅に来たいと言い出した。
普通、嫌がるだろう。この私に、近付く事自体を。
切原、お前は、一体何なんだ?
どうして、そこまでして私に、興味を持って貰いたいと思う。
変な感じだ。この、気持ちは、何なんだ。
私は、会う度にそう感じる。
切原、君は、私の興味の対象になりそうだ。
何故か知りたいか?
まぁ、今は、教えてやらない。
これは、私だけの秘密だから。