「もしさぁ・・・・・。」
もしもの話
「先輩は、俺が死んだらどうします?」
「君が、死んだら?」
俺の質問に、先輩は遊ぶのを止めてこっちを向いた。
余りに、突然過ぎた?
でも、俺は結構前から考えていたんだよなぁ・・・・。
「縁起でもない事を、言うんじゃない。」
「だからぁ・・・・もしっすよ。もーしー。」
「考えたくもない、話題だね。」
先輩は、興味を持たなくなったのか、自分の遊びを再開した。
何だよ・・・・・。
言ってくれたって、良いじゃん。
“寂しい”とか“悲しい”とか“泣いちゃう”・・・・・とか。
在り来りの言葉で構わないから、先輩の口から聞きたかった。
「ねぇー・・・・先輩ー。答えて下さいよ。」
「・・・・・・・・・・。」
俺は、後から先輩に抱き付いて、再度質問した。
でも、答えてくれなかった。
ずっと、無言に徹していた。
「答えてくんないすか?ねぇ、先輩。」
「・・・・・・・煩い。」
「君は、そんなに死にたいのか?死を、考えたいのか。」
「じゃあ、こうしている“今”はどうなんだ?死ぬ時の事なんか、考えたってきりがない。それよりも、生きている事を考えろ。」
俺は、今何をやりたいのか。
生きて、どんな事をしたいのか。
その為に、何が出来るのか。
考えても、意味がない“死”よりも、“生”きている今を考えろ・・・・・。
縁起でもない事を言う奴は、嫌いだ。
“死”は平等だ。
何時かは、やってくる出来事だ。
だから、生きている間を楽しめ。
苦しみも・・・悲しみも・・・・何もかもを。
先輩は、俺にそう言った。
(なんか・・・・また、説教されちまった。)
俺って、説教ばかりされてるな。
逆に、説教出来ないかな・・・・・・・・・なんて、無理か。
そんな事をしたら、逆に説教仕返されて終わっちゃうから。
「で?君のやりたい事は・・・何?」
「俺?俺・・・・・うーん・・・・・。」
やりたい事。
今、俺がやりたい事・・・・・。
「あぁ・・・・ありましたよ。」
俺は、笑いが込み上げて来た。
あった。
しかも、今すぐにしたい事が。
「俺、先輩との子供が欲しいっす!!」
「・・・・・・・・・・・は?」
「と、いう訳なんで・・・・・協力してください!頂きます!!」
「んな・・・・っ・・・!ま、待て!!」
「待てないっす!!」
やりたい事をやれって言ったのは・・・・・先輩、あんたっすよ?
だから、協力してよ。
俺は、先輩との間に、子供が欲しいから。
それじゃ、お楽しみの時間・・・・って事で。