(参ったな。)
Nach
einem langfristigem
「なぁ、環。お前は、嬢とはどの様なデートをしているんだ?」
「よくぞ聞いてくれた!!俺は、この間はと下町に行ってきたぞ!!!」
「下町?そうか・・・・役に立たないな。」
全く、環の情報を期待していただけ無駄だったらしい。
さて、どうしたら良いのだろうか。
かなり困ってしまう。
彼女は、喜んでくれるか分からない。
喜ぶ事は喜ぶが、心の底から喜んでくれているかが分からない。
俺は、それが怖い。
(しかしな・・・普通のデートとやらはどうやっているんだろうな。)
確か、普通のデートをしてみたいと言っていたな。
それをどの様にして実現させるべきか。
流石に、分からない。
ハルヒにでも聞くべきだろうか?
それとも、嬢に相談してみるべきだろうか。
環達に聞いたら、恥になるだろう。
後々まで、言い続けるかもしれない。
「デート・・・・ね。」
「鏡夜、後何人位で終わるんだ?」
「十人前後・・・だな。今日は一段と多いぞ。」
“に会いたいんだがな”
環は、表情でそう言っていた。
分かりやすい男だな。
そんなに分かりやすいと、すぐにどう思っているのか、敵側に分かってしまう。
もう少し、勉強したらいいものを・・・・。
「環、グズグズしている間に客の相手をしたらどうだ?そうすれば、その分早く嬢に会えるんだぞ。」
「そうか!そうだな!!流石は鏡夜だ!!」
環は、一瞬にして表情を明るくし、客が待つ席へと向かった。
これで嵐が去った。
一人で考える時間が出来たな。
(やはり、デパートにでも行くべきか?)
に直接聞いた方が良いのだろうか。
だが、そうすると俺の面子がな・・・・・。
「普通の、デートですか?」
「あぁ。ハルヒ達は、どんなデートをしているんだ?」
「どんなって・・・・自分は、デートなんてした事がないですから。」
それが答えか。
全く、いざと言う時に役に立つ人間は、俺の周りにはいないのだろうか。
「こうなったら・・・・・。」
「希望?」
「そう、希望だ。何処へ行きたいのか、希望を言ってくれさえすれば、俺は連れて行ける。」
「希望・・・・・。」
結局、に聞く事になってしまった。
情けない。
を、驚かせたかったのに。
今度は、研究に研究を重ねるとしよう。
が、喜ぶ様に。
彼女を、幸せな笑顔に出来る様に。
「私の希望は、ですね。鏡夜さん・・・・。」
“夕焼けを、見たい”
それが、彼女の希望だった。
夕焼け。
が見たいならば、俺は、最高の客席を用意しよう。
「すぐに、計画を立てる。」
俺がそう言うと、彼女は、嬉しそうに微笑んだ。