特別に。



















































愛の絆


























































“何か欲しい物は、ありますか?”




















俺は、彼女に優しく尋ねた。






















“蒼い・・・蒼い薔薇が欲しいです。”












































彼女は、蒼い薔薇が欲しいと言った。



蒼い薔薇なんて・・・・この世に存在するのだろうか。



造花ならば、出来るかもしれない。



だが、彼女はそれを好ましいと思わないだろう。





























(しかしな・・・・絶対に、ない。この俺の力を持っても、見つかるはずが無い。)


































俺が、出来る事があるならば。



彼女の為に、俺が出来る事があるなら・・・・。



そう思って、発した言葉なのに。











































































嬢。」






「鏡夜さん、どうしたのです?」






「お詫び・・・をしにきました。」






「お詫び・・・・・。」





























訳が、分からないのだろう。



一体、何についてのお詫びなのか。



俺が、何を言おうとしているのか。






























































「蒼い薔薇は・・・・・見つけられない。」

















出来れば、こんな事を言いたくなかった。




良い返事を、彼女に伝えたかった。






























































「本当に、済まないと思っている。」


















不可能だと、思うだろう。



不可能を、可能に・・・・したかったんだがな。



やはり、俺はまだ駄目だ。



どうしたら、を幸せに出来るのだろうか。



どうすれば、彼女を何時も笑顔にさせられる事が出来るのだろうか。



常に、悩んで。



常に、考えて。



何度も、彼女が笑ってくれる事を思い浮かべ。


















































頑張ってきたのに・・・・・・。
































































「その変わり・・・・として、貴女にあるモノを持ってきました。」



「ある・・・・モノ・・・?」



喜んで、くれるだろうか。



笑って、くれるだろうか。



俺の為に。



俺だけに・・・・向けて欲しい。



俺は、こんなに独占欲が強くて。



君を、ずっと捕らえておきたいと願っている。



時に、酷い事をしてしまい・・・・自己嫌悪に陥る。



そんな俺を、君はどう思う?



好きか?



嫌いか?



愛しているか?



愛していないか?



必要か?



必要・・・・ない・・か・・・?

























































「俺は、貴女を愛す。」
























































「貴女が、必要とするなら・・・何だってする。」


























































「俺が、持って来たもの・・・・は・・・・・。」






















































俺が、持って来たモノ。



それは、形には出来ないかもしれない。



だが、行動で示せたら・・・そう思っている。











































































「それは・・・・・・・・・・貴女への、愛です。」



俺は、彼女を見た。



彼女は、俺を見てこう言った・・・・・・。





































“有り難うございます。一生かけて、貴方の愛を・・・受け取ります。”


















































笑って、くれた。



その笑顔は、俺に向けられた・・・・・・。



俺は、自分の全てを賭けてでも、君を愛そう。