一週間。
それだけで十分。
付き合いましょう〜Proverb, even with temporary sweetheart 〜
「。待たせたな。」
「本当だ。お前は、何様だ?」
付き合い始め、一日目。
俺達は、デートをする約束をした。
昨日の夜、デートプランを考えに考えて、揚句遅刻。
俺としたことが、やってはいけない失態をしてしまった。
は、マイペースだから時間を指定しても、遅れてくるだろうとも予想していたのに。
「しっかし、大分早く来たの。まだいないと思ったから、咆驚したぜよ。」
「そうか?この位は、当然かと思ったんだが、恋愛経験者がそう言うならば次からは遅れて来る事にしよう。」
いや、遅れなくても良いんだけど。
真剣に考えなくて、構わないんだが・・・・・。
まぁ、いいか。
付き合い始めて、初日で喧嘩なんか縁起が悪い。
それは、なんとしても避けたい。
「、何処に行きたいんじゃ。」
昨夜、必死に考えたにも関わらず、デートプラン表は、真っ白のままだった。
今までの恋愛経験は、全く役に立たない。
そう思い知らされた、夜だった。
俺とした事が・・・・なんて、情けないんだろうか。
本当に俺は、仁王雅治か?
昨日は、自分を疑ってしまった。
以前の俺だったら、考えられない事だったから。
他の女の場合、プランなんか一時間もあれば、十分だった。
これが、どうでもいい女と、本気で好きになった女との違いなんだろうか。
(情けないかもしれないが、まぁ・・・・良いか。悪くない。)
「にお・・・・じゃない。雅治、東京に行くぞ。」
「東京?は、東京に行きたいんか?」
「あぁ。東京に行きたい。」
東京か。まぁ、良いか。
が行きたいと言っているんだから、俺はそれに従おう。
「分かった。じゃあ、東京に行くぜよ。」
こうして俺達は、東京へ向かう為に、電車に乗ったのだった。
「・・・・・・・・・・。」
「おい、どうしてそんなに不機嫌なんだよ。」
「は、どうして機嫌が悪くないんじゃ。」
俺は、電車の中から不機嫌だった。
何故なら、に魔の手が伸びそうだったから。
何とか回避できたから良かったものの、俺より先に、の肌に触れようなんて奴は抹殺するに決まっている。
「おい、折角のデートなんだぞ。ほら、機嫌直せよ。」
「・・・・・・・そうじゃの。」
俺は、笑顔で応える。
が、手を握ってくれたから。
まさか、彼女の方から手を握ってくれるなんて思わなかった。
「楽しみますか・・・・。」
さぁ、デートをしに行こう。
俺達は、改札口を出て、人込みの中へと向かった。