最近よく思う。
奴は、モテスギダ。
彼女が思う事。
どうしてなんだろう。
こんなにも、彼奴のファンクラブに苛められるのは。
どうしてなんだろう。
彼奴は、全く浮気を止めようとしないのは。
どうしてなんだろう。
私が、彼奴に別れを告げないのは。
付き合いだしたのは、半年前。
告白してきたのは、あっち・・・・忍足侑士からだった。
初めは、”なんだ、此奴は。”と、思った程度。
それ以外の感情は、全くなかった・・・・・・・・・・・・・・・筈。
何故、”筈”かって?
自信がないから。
いつ好きになったかなんて、分からない。
もしかしたら、出会ってすぐに、私は惚れていたかもしれないのだ。
兎に角、忍足に付いて回る噂は、”色々な女に手を出す事”。
あぁ、考えられない。
どうして、私は付き合う事に了承してしまったんだろうか。
そうだよ、他にもいい人居るじゃない!!!!
(手塚君とか、手塚君とか、手塚君とか、手塚君とか
手塚君とか、手塚君とか、手塚君とか、手塚君とか、
手塚君とか、手塚君とか、手塚君とか、手塚君とか、
手塚君とか、手塚君とか、手塚君とか、手塚君とか、
手塚君とか、手塚君とか手塚君とか、手塚君とか・・・・・エンドレス)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、手塚君しか出てこないじゃん!!!!
「駄目じゃん。はぁ・・・・・。」
「何が駄目なん?」
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
私は、思わず叫び声を上げてしまった。
幸い、場所は屋上だったので、周りには人はいなかった。
「び、吃驚するじゃない。なんなのさ、いきなり。」
背後から、声を掛けてきた人物、それは・・・・そう、忍足侑士。
私の、現在の彼氏であり、ちょっと(じゃないけど)悩みの種になっている男。
「で?一人でなにしてたん?」
忍足は、にこやかな笑顔を私に向けてきた。
何故か分からないが、その笑顔を見ただけでやけにムカムカしてくる。
胃潰瘍にならないか?私。大丈夫か?!
「なんか、考え事しとったん?あ!俺の「キミノコトヲカンガエテイタワケジャナイカラ」
私は、忍足が話し終わる前に、答えた。
「え〜・・・なんやねん。ラブ・ロマンスの映画一緒に見ようかと思ったんに。」
「そんな事よりさぁ。キミイマココニイナイホウガイイヨ。」
「ヒドッ!!!そんな事よりも酷いが、後の台詞はなんやねん。ただ台詞を棒読みしただけやないか。」
フッ・・・・流石は忍足。ツッコミは早いな。
そこだけ(強調)は尊敬に値する。
「まぁ、単刀直入に。結論だけを言おう。」
「うん?何々??」
「別れて。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・間。
「はぁ!?」
私の放った台詞から、数分後。
だいぶ状況を飲み込むのに時間が掛かったのか、忍足はなかなか言葉が出せなかったようだ。
「だから、別れて。」
私は、もう一度忍足に向かって”別れて”と言った。
もう我慢ならない。
人には、我慢の限界というモノが存在する。勿論、この私にも。
そして、忍足の行動は許せない。
「なして!!何で別れてなんて言うん!?俺、何か悪い事したんか!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・何だと?こん畜生!!!!
「君、モテ過ぎなんだよ。私は、ファンクラブに恨まれるし・・・浮気するし。
こんなの、不公平だと思わない?人間、平等が一番だし。そろそろ、我慢できなくなってきた。」
「な・・・ちょっと待ってや!!!止めるから!!止めるから、別れるなんていわんといて!!」
忍足は、私の脚に、しがみついてきた。
・・・・・・なんか、私が悪い事したみたいじゃないか。
「なんで、他の女と浮気なんてするのさ。」
「そ、それは・・・・。」
忍足は、口をモゴモゴさせる。
あ・・・・なんか可愛いじゃないか。そんな行動取られると、許したくなってきちゃうよ。
「なんで?」
私は、もう一度聞き返す。
「それは・・・・断りきれなくて・・。」
「は?!何それ!!!!」
断り切れない?考えられない。
何それ。本当に何それ。あり得ないよ。
「だ、だってな?断ったら、に何するか分からんって・・・・言われたら、断れないやろ?」
最低!と怒鳴ってやろうとしたその時だった。
彼が、そう言ったのは。
要するに、脅されていたのだ。
私に、何か危害を加えると。侑士は、それを恐れて、嫌々デート・・・・。
なぁんだ。そうだったのか。
ちょっと、心のモヤモヤが晴れた気分かな?
原因は分かった。
これからは、絶対にそう言う事はしないと侑士に誓約書を書かせた。
私は、そんな優しい侑士にまたまた惚れ直してしまった。
〜数日後〜
「侑士〜vvお弁当☆」
「ん?おおきに。」
あれから、浮気もなく、苛めもなく毎日が充実した日々を送っている。
勿論、侑士とはあれ以来仲が深まったのは、当然の事。
「今日も、一緒に帰ろうね!!!」
「あぁ、待っててくれや。」
軽く、侑士の唇が、私の頬に触れる。
あぁ・・・・なんて幸せなんだろう・・・・。
「なぁ、どうにかしろよ。跡部。」
「俺に言われてもな・・・・・。」
そんな私達に、困った視線を送るカップルがここに居るのは見て見ぬ振り。