「誕生日か・・・・・・・・・・。」










































まれて てくれて・・・・・・。


























今日は、忍足の誕生日。

私は、今日まで、彼に何をあげるべきか、悩んでいた。





そして、今も悩んでいる。

どうにも出来ない、今までの状況、今の現状から、何一つ変わっていない。














「困ったな。一体、私にどうして欲しいのやら。」






















。俺、今月誕生日なんやけど。」

「へぇ、そうなんだ?」

「そんでな?、俺にくれへんか??」

「はい?」




















こんなやり取りがあったのは、一週間前。

突然、何を言い出すのか。忍足は。

私は、彼が何が好きなのかを知らない。

大体、プレゼントなら、女子から沢山貰えるじゃない。








それなのに、どうして私が?

私と忍足は、ただのクラスメイト。

友人みたいなモノ。今までだって、多分、これからだって。













何も変わらない。

誰かは、”変わらないモノは無い”と言うけれど、私は、そうは思わない。

だって、変わっているならば、私と忍足の関係だって、なにかしら変わっている筈だから。














そうだ。私は、忍足侑士が好き。









この気持ちも、変わっていない。

忍足にとって私は、クラスメイト。私にとって忍足は、好きな人。

この差は、大きい。私にとっては、とてつもなく掛け離れている。







ねぇ、忍足。気付いているのでしょう?私の気持ちに。

貴方なら、分かっている筈。貴方は、観察力良いから。

気付かない筈がない。






「本当、私も馬鹿だよね。全く、何年一方通行の恋をやっていれば済むんだか。」







自然と、溜め息が零れてしまう。

そう、私は、馬鹿なのだ。完全なる、馬鹿なのだろう。
























「さて・・・・・・どうしようかな。」

放課後、私は色々なお店を回っていた。




忍足に似合うもの。



欲しいと思うもの。







色々見てみた。けれど、どれも駄目。

だって、皆と同じ様な気がする。

どうせ、他の子だってあげるんだろうから。

だったら、違うものをあげたいのが私の考え。







「明日が、期限じゃなければなぁ・・・・。なかなか決まらないし。」



悩んでしまう。どうしても。

やっぱり、好きな人にあげるのは・・・・あげるものは・・・・・・。





「アハハ・・・何だ。あれをあげれば良いんじゃない。簡単な事だったな。」

そう考えると、私は、思わず笑みが零れた。



























「・・・・・・・・で?プレゼントは何や?」

「・・・・・・・・・あぁ。プレゼント。そうそう、プレゼントね。あるよ。」





忍足の誕生日当日。

予想通り、彼は大量のプレゼントを貰っていた。

一体、どうやって持って帰るのかが不思議でならない。










絶対に、一人では無理。

だって、私の分かる限りで段ボール三箱分はあるんじゃないかな。

それを、一人で抱えて帰るのには、非常に無理があると見た。




「沢山貰ったんだね。忍足。」

「ん?あぁ、これか?香水・タオル・入浴剤・お菓子・・・・・・と、まぁ様々なものやな。」





忍足は、嬉しそうだった。凄く。












_____他の子に貰ったのに、そんなに嬉しそうな顔しないでよ。
































これは、私の勝手な言い分。そんな事は分かってる。

でも、気持ちは制御出来ない。忍足は。優しい。本当に。

嫌がりもせず、嬉しそうに貰う。それが良いのか悪いのか・・・・。




「ほな、からのプレゼントは?」


私?私からのプレゼント。

私のプレゼントは、モノじゃない。



















「あのね、私からは・・・・。」












私は、笑った。

そして、忍足に近付き、そっと彼の頬にキスをする。


唇には、しない。

だって、忍足は、私の恋人じゃないもの。だから、頬にしたの。







「これが、私のプレゼント。」


忍足は、固まっていた。

突然の事に、咆驚しているに違いない。

今まで、見たことがない忍足の表情。何だか嬉しかった。





忍足、とりあえず・・・・とりあえず、今は友達で許してあげる。

でもね、そのうち君の恋人になってみせるよ。覚えておいて貰わないと。





私は、驚いている忍足に、言った。

まだ、言っていなかったから。

告白は、最後。もう少し経ってから。

だから、今はこの言葉を君に・・・・。











































「忍足、産まれて来てくれて有り難う。」