貴方は、どう思いますか?
巡
り会った。それは、いけない事だったのか
忍足侑士。
私は、貴方に巡り会い、貴方の事を沢山知って、貴方を、最終的には、愛した。
沢山沢山沢山愛した。
これ以上、愛せないんじゃないかって位に、愛した。
なのに、この巡り会いは、いけなかったのだろうか。
私には、分からない。
だって、いけないなんて、思った事がないのだから。
少なくとも、私は。
侑士は、どう考えていたかなんて、知らない。
彼は、笑っているだけだったから。
私が、したい事に、反対をしなかった。
行きたい場所にも、必ず付いて来てくれた。
嬉しかった。
彼が、私を大事に想ってくれると感じたから。
『君が・・・・・君かな?』
突然、呼ばれた。
呼び掛けた人物は、何処か侑士に似ていた。
『済まないが、良いかな?』
『は、はい。』
連れていかれたのは、喫茶店。
少し、高級そうなお店だった。
『唐突なんだが、侑士と別れてもらいたい。』
喫茶店に入ってからの第一声。
“侑士と別れてもらいたい。”
言葉が、出てこなかった。
どうして、別れないといけないのだろう。
私、何か悪い事したのかな?
『息子には、将来がある。その将来に、君は必要ないんだ。
分かるかな?息子には、私から言っておく。金輪際、関わらないでくれないか。』
私は、逃げた。
逃げて逃げて逃げて・・・・走り続けて、追い付かれない様に、頑張った。
私は、考えた。
彼と、離れるべきなのか。
恋は、こんなに辛いものだったのだろうか。
どうして私は、侑士と釣り合う様な人間じゃないのだろうか。
釣り合う人間になりたい。
そう願っても、そんな風にはなれない。
もがいても、足掻いても、無理な話。
「侑士・・・・・。」
ねぇ、私はどうしたら良い?
別れるしかないの?
こんなに愛しているのに。
ねぇ・・・貴方は、どう思いますか?
私は、誰もいない空間を見つめて、問い掛ける。
答えは、返ってはこないのは、分かっていたのに・・・。