「真田〜!!!!!!!」
「・・・・・・・・・・・・ん?」
俺の彼女。
ドスッ!!!!
真田が、振り向いた瞬間、鈍い音と、お腹の辺りに痛みが走った。
痛い。運動部で、体を鍛えているとしても、痛いモノは痛い。
「あ、ご・・・御免!!!!大丈夫?」
余りの痛さに、屈んでしまった真田を心配そうに、見つめている人物が一人。
そう、真田の恋人。だ。
小柄で、瞳が可愛い。
大きな瞳で見つめられると、思わずにやけてしまう。
そして、笑ったり・・・・仕草が真田は好きだった。
そして、そんなが、真田の恋人なのである。
周囲からしたら、”え〜・・・・・。”の連発であろう。
それは、誰の目から見ても間違いない。
「だ、大丈夫だ。心配するな。」
真田は、どうにか笑顔を作りを心配させまいと、頭を軽く撫でた。
「そっか・・・・本当に御免ね?」
は、真田を見つけたら、一直線に彼目掛けて走ってくる。
気付けば、未遂で終わるが、気付かない時には、今みたいな事が起こるのである。
「あ、あのね?今日、真田の為に、お弁当作ってきたんだ。」
は、笑みを綻ばせながら、真田の目の前に、大きなお弁当箱を差し出した。
可愛い奴め。
お前は、どうしてこんなに可愛いんだ。
あぁ、抱き締めたい。
だが、我慢しなければ。
何故、我慢しなければいけないのか?
それは、テニス部の連中に、総攻撃を受けるからである。
勿論、現在病室にいる幸村にもだ。
そんな事は、御免だ。
以前、馬鹿にされてから、学んだ事だ。
「真田?どうしたの??本当は、痛むとか・・・。」
なかなか、返事をしない真田を不安に思ったのか、は顔を覗き込んできた。
「いや、大丈夫だ。それより・・・よくそんなに作ってこれたな。」
そう、が持ってきたお弁当・・・・・三段以上ある、お弁当箱。
これを、真田が一人で食べられる可能性は・・・・・・・・・・少ない事間違いない。
しかし・・・食えと?
もしや、は少しぽっちゃりした方が好みなのか???
いや、そうだとしたら俺には来ていない。
俺の恋人なんかになってはくれないだろう。
「あのね、朝の五時から頑張って作ったんだ。真田に食べて貰いたくて。」
ニコッとは、微笑んだ。
それはもう・・・天使の微笑みである。
女神というより、天使がには合っている。
そう、真田は思う。
俺の天使。
俺だけの天使。
あぁ、なんて幸せなんだ。
の為ならば、この位何ともない。
喜んで食べようじゃないか。
こんなものは、愛の力で乗り越えられる。
「頂くな。」
「うん、沢山食べてね。真田!!!」
真田は、ニコニコ笑っているの目の前で、味わいながら食事を始めた。
そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「あれ?真田副部長は?」
「昼飯を食い過ぎたらしい。全く、誰が弛んでるんだか・・・・。」
放課後の、テニスコート。
真田の、姿はそこにはなかった。
頑張って、食べた為倒れてしまい、早退してしまったのだ。
俺の彼女は、可愛い。
目に入れても、痛くない位に。
自宅の布団で眠りながら、真田はそう思ったそうな・・・・・。