何時までも、君といよう。
例え、それがどんな時であっても。
時間。
時は、流れるのが早い。
それを、食い止める術は、ない。
誰が、どんな風に願おうと、時間は待ってはくれない。
俺が、と出会って、何年経つのだろう。
と、付き合い始めてどのくらいの時が過ぎ去ったことだろうか。
初めは、何をやるにしても、ぎこちなかった。
を、よく困らせていたモノだ。
男として、情けない。
何とかしなくてはと、四苦八苦していた。
あの時が懐かしい。
戻れるモノならば、戻りたい。
だが、それは不可能。
時間。時間が欲しい。
時間は、いくらあっても足りない位だ。
「・・・・・。好きだ・・・。」
俺は、一人呟いた。
隣には、誰もいない。
周りにも、誰もいない。
だが、俺の心の中には、が居る。
寂しくないと言ったら、嘘になるだろう。
は、今年の春に外国へ留学した。
離れ離れ・・・・・・・・。
俺は、嫌だった。
反対したかった。
しかし、何故、反対できる?
が、行きたいというのだ。俺に、反対する権利はない。
そんな事をしていい筈がない。
俺だって、自由に、テニスをさせて貰っている。
それなのに、彼女に自由がないなんて、変な話だ。
結婚すれば、話は別になるかも知れない。
しかし、今は、自由をやりたかった。
離れるというのは、辛い。
待つ・・・・ただ、待つという事も。
こんなに辛いとは・・・・・正直、思わなかった。
”弦一郎
”
に、そう読んで欲しい。
直ぐにでも、帰ってきて貰いたい。
「俺も、弱くなったものだな。」
思わず、苦笑い。
”皇帝”と呼ばれ、怖れられていた俺が、弱音を吐く日が来ようとは。
誰が、予想しただろうか。
自分自身さえ、予想できなかったことなのに。
が、俺の支えになっていくれる。
そして、もうすぐ、彼女の逢える。
待ちに待った、今日、この日。
俺は、を迎えに来る為に、空港に来ていた。
帰ってくるのを、知らされたのは、昨日。
突然の状況に、パニックに陥ってしまった。
”が、帰ってくる”
それだけで、嬉しくて。嬉しくて、どうしようもなく嬉しさでいっぱいになった。
なかなか、寝付けなかった昨夜。
逢えたら、どんなことを話そう。
話したいことは、沢山あるのに、何から話して良いかが分からない。
テニスの試合以上に、緊張してくる。
「弦一郎!!!!」
だ。
久しぶりに聞く、彼女の声。
あぁ、。
どんなに逢いたかったことか。
この瞬間を、どんなに待ちわびていたことか。
さぁ、これからは、一緒にいよう。
どんなことがあったのか、お互いに話をしよう。
先ずは、お前を抱き締めて。
それから・・・・・・・・・・・。
それから、こう言うんだ。
「お帰り。」と・・・・・・・・・・。