「さぁーなぁーだぁー!!勝負ー!!!」
いざ、尋常に・・・・・。
「また貴様か!!!」
「貴様じゃない!!って名前があるのよ。と呼べ!と!!」
「こ、断る!」
一体、何なんだ。
目の前にいる女が、俺に勝負を挑むようになったのは、つい最近。
勿論、テニスじゃない。
ならば、何なのか。
それは、刀。
しかも、真剣。
否、本当に・・・・・一体、何を考えているんだ?
真剣だぞ?!
「いい加減、諦めろ!」
「嫌。何よ、死なない程度で止めれば良いだけでしょう?」
「んなっ・・・・貴様の頭はどうなっている!!」
「さぁ?今の所、脳内は真田との勝負の事で一杯よ。授業の内容もどうでも良いわ。」
「良い訳あるかぁぁぁ!貴様は、下から数える方が早いだろう?」
「は?ねぇ、勉強出来るから、何なの?勉強出来たって、悪い事企むこの世の中。どうだってのよ。
馬鹿だろうと、一つでも打ち込めるモノがあれば、良いじゃない。私は、それで幸せよ。」
「し、しかしな・・・・出来ないよりは、出来た方が良いに決まっているだろう?」
「別に?何よ。真田が教えてくれる訳?それなら、考えてやっても良いわよ。それならね。」
「・・・・・・・・・・・・。」
物凄く、上からものを言っていないか?
どうして、教える俺よりも、教えられる奴が、偉そうなんだ。
・・・・・・・いや、別に教えるとは言っていないがな。
「黙ってるなら、肯定と取らせてもらうわよ。じゃ、今日から宜しくね。真田先生。
教えてくれないなら、自宅まで押しかけるから。あ、違う違う。自宅で、教えてね。」
「は?お・・・ちょっ・・・・ま・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・時既に遅し。
あの女・・・・・言い逃げしていったな。
なんて、女だ。
この俺に、勉強を教えろだと?
自宅まで、押しかけるだと?
強引だ。
自己中心的な考えだ。
俺は、返事をしていないのに。
「フフ・・・・・やったわ。これで、思う存分真田の近くにいられる!」
。
この女との、恋愛が始まるのかどうかは・・・・・・まだ、誰にも分からない。