この想いは、〜Nachher das 〜
「えっ?暫く、ホスト部には来ない!!?」
「あぁ。」
場所は、音楽室。
この場所で、悲鳴が上がる。
「なっ・・・・何故ですか!!モリ先輩!!!」
「環、少し落ち着いたらどうだ?」
そんな事を言われても、彼____須王環は、落ち着く事など不可能だった。
その理由。
それは、銛之塚崇。
彼が、剣道部を優先すると発言したのが、原因である。
「モリ先輩を、待っている女性が沢山いるんですよ?!今日、久し振りに会えたと思ったら、これですか!!!」
「環、済まない。」
環が何を言おうと、彼は詫びるばかり。
それ以上は、何も言おうとはしなかった。
「崇さん。」
そんな騒ぎの中、音楽室にやってきた女性。
彼女の名前は、。
剣道部員であり、漆黒の長い髪が、とても印象的である。
剣道に対して、熱心に取り組み、ホスト部には訪れた事が一度も無い。
そんな彼女が、やってきた理由。
勿論、恋人である銛之塚崇を、捜しに来たのである。
「。」
彼は、彼女に近付く。
そして、彼女の手を握る。
そうなってしまったら、もう手に負えない。
何と言っても、二人は自分達二人だけの空間へといってしまうから。
「あの、稽古と・・・それから、お・・・・お弁当を・・ですね・・・・・・。」
は、恋人である崇に大きな大きな四角い箱を差し出す。
それは、お弁当箱。
大好きな彼の為に、早く起きて作った料理が詰め込まれている。
「済まない。」
二人は、音楽室を後にしてしまう。
他の部員を残し、昼食を取る為に。
「モ・・・・モリ先輩に・・・・恋人!!?」
「何だ、知らなかったのか?まぁ・・・・そういう訳だ。環、許してやるんだな。」
彼等は、知らない。
二人は、これからどうなるのか。
知っているのは、これから行動を起こす、彼だけである。
そう・・・・・彼は、決心したのだ。
愛しい愛しい恋人、に・・・・。
彼女に、渡そうと。
彼のポケットには、小さな箱が入っている。
これが意味する事は_______。