>
「誰が、好きなんですか?」
ハルヒは、俺に尋ねてきた。
好きなコ
好き。
それは、どういった意味での“好き”なのだろうか。
俺は、いまいち理解できていない。
確かに、ハルヒは好きだ。
だが、それは、後輩としてであり、一人の女性として・・・・と、いう事はないと・・・思う。
自信は、無い。
しかし、ハルヒに質問をされた時に、一人・・・・たった一人、女性が頭に浮かんだ。
彼女は、毎日ホスト部に来てくれていた。
そして、必ず、俺を指名してくれる。
嬉しそうに笑ってくれる、彼女。
とても、嬉しい様な・・・・・気にはなっている。
しかし、どうなのだろうか。
俺は、好きの意味がよく分からない。
自分自身分かっていないのだから、きっと、周りの者にも分からないだろう。
「鏡夜。好き・・・って、何なのだ?俺には、分からん。理解不能なのだが・・・。」
「知るか。自分で考えろ。」
鏡夜の対応は、冷たかった。
まぁ、当然と言えば、当然の反応。
だが、もう少し優しく言ってくれても・・・・・なんて、変な希望だな。
“好き”
それは、口に出すのは、簡単かもしれない。
だが、どんな感情だ?
ドキドキするのが、好きなのか?
そもそも、“好き”には、定義があるのだろうか。
人によって、違うのかも知れない。
(分からない。分からないんだ・・・・・。どうしたら、分かるんだ?)
「定義?さぁ・・・無いと思います。それに、人を好きになるのに、定義だの理由だの、下らない。
数学の答えでも出すつもりですか?答えは、一つしかないなんて、馬鹿馬鹿しい。人間の感情を、計れる訳がない。
大体。そんなのに縛られているのは、単なる馬鹿だわ。理由がなければ、してはいけないなんて・・・・不自由な暮らし。
ねぇ、人間は、自由なんですよね。まぁ、法の上での事ですが。深く考え過ぎるから、良くないんです。悩んでいる前に、実際は、答えが出ているという事もありますからね。」
嬢に、相談したら、そんな事を言われてしまった。
これでは、まるで説教じゃないか。
いや、説教・・・・か?
俺は、説教されてしまったのか。
この日から、俺は、彼女の事ばかりを考えていた。