「好きだよ。」
ガシャン!パリーン!!
彼女の一言に、動揺してしまった。
T
rembling
突然、何を言い出すのか。
クラスメイトであるは、実験の最中に告白をしてきた。
当然、俺は実験機器を床に落としてしまい、粉々にしてしまった。
こんなに動揺するなんて・・・・・・・だが、誰でもこうなるかもしれない。
周りのクラスメイトも、俺とを見つめているのだから。
「やっぱり、表情は変わらないんだね。」
「・・・・こんな時に、冗談は止せ。」
「冗談なんかじゃないよ。」
は、笑っていた。
この言葉を、信じて良いのだろうか。
それとも、信じない方が良いのだろうか。
彼女の表情からは、どちらとも判断がつかない。
俺は、が好きだ。
この三年間、ずっと心の中に隠し続けて来た。
だから、この言葉を信じたい気持ちの方が強い。
「ねぇ、手塚はどうなの?」
「それは・・・・・・。」
俺は、言えなかった。
その質問には、答えたくなかった。
ここまで隠し通してきて、振られるならば、このまま友人で終わりたい。
と、話が出来なくなるかもしれない・・・・・と、悪い方向へと考えが向かってしまう。
俺も、弱いな。
の“好き”という言葉で動揺し、嬉しい反面、悪い方向へと考えが向かってしまう。
「ま、良いや。片付けようか。」
は苦笑しながら、しゃがみ込み、俺が割ってしまった破片を集め始める。
「済まない・・・・。」
俺も慌ててしゃがみ込み、片付けを手伝う。
その時、と顔が近付いて、思わず心臓が高鳴ってしまった。
そして、彼女の顔を自然と見つめてしまう。
とても整っていて、きっと通り過ぎる人々が、彼女に見惚れるだろう。
どんな仕種をしても、は絵になる。
だが、彼女は気取らずに、人に接する。
俺は、そんな彼女をいつの間にか好きになっていた。
(いつか言おうとは思っていんだが・・・・。)
結局、言えないまま・・・・だな。
「手塚君、私は本気だからね。」
彼女は、もう一度俺に伝えて来た。
今度は、笑っていなかった。
真剣な表情で、俺を見つめてくる。
「じゃ・・・・・また教室でね。手塚君。」
「あ・・・・・・・・・・。」
は、答えを聞かずに教室へと向かってしまった。
「参ったな・・・・・俺は、どうしたら良いんだ、。」
全く、やってくれる。
俺は、急いでを追い掛けた。
今度こそ、言わなければいけないと感じたから。