「・・・・・・・・・・・・誕生日?」
一瞬にして、思考が停止して瞬間でした。
時には、忘れてしまう事。
忘れていました。
今日は、さんの誕生日だったなんて。
どうしましょう。
私は、何も用意していません!!!
と、いうか。
知っていたのでしたら、教えて下さい!!!裕さん!!!!
「アハハ。御免ね。てっきり、柳生君は知っているのかと思ったの。」
いや、知っています。
知っていますとも。
愛しいさんの誕生日を、私が知らないはずがありません。
しかしですね、人間、やはり生き物。
時として、大事な事でも忘れてしまう事があるのです。
あぁ・・・・・男として、さんの恋人として失格です!!!
私は、もう生きていけません・・・・。
さん、こんな私を許して頂けますか?
兎に角、行きましょう。さんの元へ。
そして、謝りましょう。
”ご免なさい”と。
こんなに緊張するなんて・・・・告白とあの時以来ですよ!!!
「・・・・・さん・・・。」
「柳生。どうしたんだ?真っ青だぞ?」
さんは、不思議そうに私に尋ねてきました。
その理由は、簡単です。
貴女の、誕生日を忘れていたのです。
それだけです。
あ・・・・いや・・・・柳生比呂士、今世紀最大のピンチ・・・だからかも知れません。
「あ・・・・・の・・ですね。」
私が、言いかけたその時だった。
「今日は、私の誕生日なんだ。怒らせる事じゃ・・・ないよな?」
ヒィィィィ!!!!!!
こ、怖いです。
怖すぎます。
あぁ・・・・何だか、黒いオーラが背後に見えるのは、私の気のせいでしょうか?
気のせいですよね!?さん!!!!
「・・・・・・・で?何だ?」
さんは、笑顔で私に尋ねてきた。
・・・・・目は、全く笑っていませんよ。さん。
笑うならば、ちゃんと笑って下さい。
こうなったら、私も男です。
いくら、さんが怖くとも。
言おうじゃありませんか。言って、許して貰おうじゃありませんか。
「あ・・・の!!!申し訳ありません!!!誕生日という事を忘れていました!!!
あぁ、決してさんが嫌いになったとか、愛していないとかではありませんよ?
貴女の事は、心から愛しています!で・・でででででででででですが!!忘れてしまいました!許して下さい!!」
言った。
遂に言ってしまった!!!!
振られるでしょうか。それとも、許して頂けるでしょうか?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ほう
?」
ビクゥ!!!!
あ、あわわわわわわ・・・・低い声。
これって、完璧に駄目・・・ですか!?
「・・・・・・・・・・・・まぁ、良しとするか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
「許してやると、言ったんだよ。」
さんを見ると、そこには普段のさんがいた。
ゆ、許してくれる。
良かった・・・・。これで、別れは免れました。
「ただし、お前、忘れたんだからさ。暫くは無しな。」
「そ、そんな・・・生きていけませんよ!!!」
「生きていけるだろ!!お前、何年人間やってるんだ!!!生きてたじゃないか!」
「それとこれとは、話が違います!却下です!!」
そうです。却下します。
断固反対です!!!
私は、確かに忘れました。えぇ、忘れましたとも!!!
しかし、それとこれとは話が違います!
今日は、徹底的に論争しますよ!!!
貴女は、私に勝てません。
何てったって、私は、男で。
さんは、女性なのですから。
決めましたよ。
今年の、誕生日のプレゼントは、私の愛です!!
さん、受け取ってくれますよね・・・・・・・・・?