「駄目だって。」
虚しい
見事なまでの、断りだった。
きっと、そう言われるのは分かっていた。
けれど、言わずにいられなかった。
この想いは、伝えなければならない。
「柳君はさ・・・・・何を考えているの?」
「俺か?俺は・・・・・どうなんだろうな。」
自分で、自分の事が分からなくなってきている。
分かるのは、が好きだという事。
そして、伝えたかったという事。
「柳君は、何を信じているの?」
「何を・・・・・。」
俺は、何を信じているんだろうか。
「は、何を信じているんだ?」
「私?私はね・・・・自分自身。」
「そうか・・・・・。」
“もう一つ、あるんだけどね・・・・それは、また今度。”
「振られたか。」
「まぁな。」
俺は、と一緒にいる。
屋上で、昨日の出来事を報告した。
大分、世話になったから。
を紹介してくれたのは、だ。
は、知っていた。
俺が、を好きだった事を。
ずっと・・・・・彼女を、遠くから見つめていた事を。
何時から、分かっていたのだろう。
聞いてみると、は、笑うだけだった。
“参謀、自分自身で見つけてみろ。”
そう言っていた、彼女。
強気で、俺を挑発する。
本当に、には敵わない。
「それで?諦めるのか?」
「さぁな・・・・・。」
「おいおい、参謀。お前・・・・諦めるんだ。諦めちゃうんだ。・・・・・・・・・・・・フフッ。」
「何が、可笑しい?」
「参謀の、考えが分かった。」
分かった?
俺の考えが、分かったのか?
そんな、馬鹿な。
分かるはずが、ない。
分かるのは、俺だけだ。
「なぁ、参謀。分かるはず無いと思ったら、大間違いだ。」
「何だと?」
「間違いだ・・・・・と、言ったんだ。参謀、態と分からない様に隠しているんだな。分からない、振りをしているんだろう?私には、分かる。」
なんて、女だ。
本当に、ややこしい相手だ。
「は・・・・そうだな。何も言わなかったのか?」
「いや・・・・“何を信じるか”と聞かれたな。」
「なんて、答えたんだ?」
「・・・・・答えなかった。」
確かに、自分自身を信じている。
だが、言葉にならなかった。
どうしても、出ていってくれなかった。
「は、どう言った?」
「自分自身を・・・・と言っていた。」
「なんだ・・・・言わなかったのか・・・・・。」
は、何か考えているようだった。
もしかして、何か知っているのか?
が、他に言おうとしていた事を。
「仕方ない。今回は、特別に教えてやる。」
俺は、を捜した。
“はな・・・・。”
出来れば、自身から、聞きたかった。
“お前を・・・・・。”
どうして、言ってくれなかったのだろうか。
あの時、言うのを止めたんだろうか。
“自分自身の他に、お前の、言葉を信じている。”
こんなに走ったのは、部活以外にない。
まぁ、悪い気はしないだろう。
好きな女の為なら・・・・・。
だが、今度こそ聞かせてもらう。
絶対に・・・・・。