私は、幸せでした。
Das, ist es liebes
幸せでした。
これでもかって位、幸せでした。
周りが見えなくなる位、幸せでした。
私には、勿体ない位、幸せでした。
その幸せは、脆く崩れ去っていきました。
どうして、なのでしょうか。
“幸村君と、このまま一緒にいられます様に”
こう願ったから、駄目なんですか?
私は、幸せを願ってはいけないんですか?
強く願っては、いけなかった?
ねぇ、どうしていけないの?
他の人なら、願っても良いと?
そんな不公平な事が、あっていいの?
「悪いね。」
“君の事は、そんなに好きじゃなかったんだよ”
幸村君は、笑顔で言った。
悪気もなく、偽りなんか全く見えなかった。
でも私は、信じたくない。
“俺達、終わりで構わないよね?”
何を・・・・言っているの?
良くない。
全然、良くない。
私の意見は?
意志は?
ねぇ、聞いてくれないの?
以前の幸村君は、こんな人じゃなかった。
もっと・・・・・もっと優しくて、話だって沢山聞いてくれて、相手を包み込んでくれる人だったのに。
私・・・・私ね?
貴方に、言おうか迷っていた事があるんだよ。
まだ、返事をしていなかったから。
それなのに、こんなに簡単に崩れ去るんだね。
もう、私なんか好きじゃないんだね・・・・・。
「、向こうに行っても連絡は寄越すんだぞ?」
「うん。絶対、には連絡するね。」
あれから、三ヶ月。
私は、旅立つ事にした。
彼に、言えなかった事・・・・・それは、留学。
私は、海外で勉強をしたかった。
でも、幸村君と離れるなんて、考えられなかった。
だから、中止にしようと思っていた。
でも、そんな事をする必要なんてなくなった。
私には、もうこの路しかないの。
分かれ路は、存在しない。
だから、進む。
「じゃあ・・・・またね!!」
と両親が見送る中、私は留学先へと旅立って行った。
さようなら、幸村君。
私ね?
本当に、貴方と出会えて幸せでした。
もう、辛い思い出だけれど・・・・胸に閉まっておこうかと思う。
だって・・・・貴方と一緒にいられた時間だから・・・・。
「・・・・・・良かったのか?」
「あぁ・・・。」
「全く。お前は、馬鹿だよな。」
「知っているよ。」
幸村は、苦笑する。
彼は、態とこの選択肢を選んだ。
態と、悪役を買って出た。
そうしなければ、は留学を諦めてしまうから。
“自分の為に、夢を諦められるなんて・・・俺は、嫌だよ”
そういった彼を、私は、責める事は出来ない。
笑いもしない。
ただただ、次に会ったら、幸せになって欲しいと願うだけ・・・・。
そう思いながら、が乗っているであろう、飛び立った飛行機を見つめていた。