ナタとカイデキテテモ レシイ、







































































「遂に、今日が誕生日なんだね。」















































そう彼女が、俺に言った。













退院して、一年以上が経つ。













今日、俺は、誕生日を迎えた。













自分が、生まれたこの日。













と、迎える事が出来た。













本当に、嬉しさが込み上げてくる。





































まさか、彼女と迎えられるなんて・・・・・。














































昔の自分だったら、考えられない出来事だ。













当日は、と過ごすだろうから・・・・と、テニス部の皆は前日に祝ってくれた。













自宅には、大量のプレゼント。













部屋には、座る場所なんか見当たらない・・・・・というのは、大袈裟かもしれないけれど、その位凄い。













中身は、まだ見ていない。













けれど、大体の予想はついている。

























































「無事に、十七歳になれた事に感謝を。」










「フフッ・・・・・そうだね。感謝しないといけないよね。」







































此処まで、生きて来られた事に感謝を。













そして、これからの未来に希望がある様に。














ずっとずっと。













入院する以前から、こうしたいと願っていた。













テニスで忙しく、デートもした数を数えた方が早い。













には、苦労ばかり。













だけど、彼女は文句を言わない。













そんな彼女だからこそ、俺は感謝しなければならない。













でなければ、絶対に良い関係にならないだろう。













付き合ったとしても、長続きしない。














































「感謝しているよ・・・・・本当に・・・。」










「それなら、宜しい。」







































は、満足げに笑って頷いた。













彼女は、どうして笑っているのだろうか。













辛い時でさえ、笑っていた。













“こういう事も、ある”と苦笑混じりの笑みだった。













彼女は、微笑む。













その微笑みは、周りを幸せな気分にさせてくれる。




















































はさ・・・・・俺にとって、なくてはならない存在なんだよ。」










「それを言うなら、私も同じ。精市は、私にとってなくてはならない存在だから。」










「・・・・・・そうだね。」












































俺がそう言ったら、彼女は“もう少し、理解を深めなさい”と軽く叱った。













叱られたのは、何時が最後だったのだろうか。













時に、“叱られる”という行為は、嬉しく感じる。













それだけ、自分の事を思っていてくれたのかと、分かるから。
















































「・・・・・もう・・・春だ。今年も一年が、早く過ぎそうだな。」










「そうだね。そうかもしれないけれど・・・・・その期間が、充実しているものなら良い。一日一日、大切に生きていこうね。」










「あぁ・・・・・。」



















































のいう通り。













一日一日を、大切に。













充実した日が、送れるように。













二人で、生きていこう。














































「じゃ、もう一度。お誕生日、おめでとう。」