「くれぇぇぇぇ!!!!」
「駄目。」
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e, as for
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anting・・・・・。
「何でくれないんだよ!」
「これは、私の物だから。私の所有物だから。私が食べたかった物だから。」
は、くれない。
俺は、の作ったお菓子が欲しい。
毎日毎日奪いに行っているのに、どうしても奪えない。
「ちぇっ・・・・その位くれたって良いじゃんか。」
「黙れ。何度も言わせるんじゃない。それに、丸井には丸井のお菓子があるじゃないか。」
確かに、俺には俺専用のお菓子がある。
毎日、クラスの女の子達がくれるお菓子。
それはそれで嬉しいんだけど、俺は、のお菓子が欲しい。
ずっと、欲しいと思っているのに食べられない。
そう・・・・・・三年間!!
三年間、頑張ったのに食べさせてもらってない。
「あーもー!!!くいてぇ!!!!」
「煩い。埃が舞うだろう?折角のお菓子が台無しになったらどうしてくれるんだ。」
「そしたら俺が食う!!だから、くれ!!」
俺は必死になって、に願い出る。
だけど、の返事は却下の二文字。
俺は、凄くガッカリしてしまった。
あぁ・・・・・欲しいよ。
本当に、欲しいんだよ!!!
「のお菓子のお菓子のお菓子のお菓子・・・・・・・・。」
「煩い奴だな。本当に。ほら・・・・・。」
「ん・・・・・?」
は、俺に向かって何かを投げてきた。
俺は、絶対にお菓子だと思って、口でキャッチする。
これは、チョコレートだな。
うん。この甘さ。
そして、この美味しい香と、舌の上での溶け具合。
うん、間違いない。
絶対に、チョコレートだ。
「んー・・・・・って、これは市販の菓子じゃん!!!」
そう、市販のお菓子。
だって、はチョコレートなんか持っていない。
持っているのは、どう見たって、クッキーにしか見えない。
「何だよ。私のお菓子をあげただろう?不服なのか?」
は、俺なんかに構わず自分のお菓子を食べていってしまう。
あぁぁぁ・・・・・・俺が食べたい、のお菓子がなくなっていく。
さよなら・・・・俺の欲しいお菓子。
「ううっ・・・・の馬鹿。バーカ。ケチんぼ。」
「何とでも言っていろ。私は気にしないからな。痛くも痒くもないぞ。」
「・・・・・・・・・ください。俺に、の手作りのお菓子をください。お願いします。様!」
これで駄目なら、今日は諦めよう。
明日また、トライしてみよう。
卒業まで、後数カ月。
それまでには、何とか食べられる様にしよう。
「なぁ、どうしてそんなに私のお菓子を食べたいんだよ。」
突然、が変な質問をしてきた。
俺にとっては、本当に変な質問だった。
どうして、今更?
三年間、追っ掛けられて・・・・分からないもんなのか。
「そんなん決まってんだろ。俺が、を好きだからだ。」
そう。
ずっとずっと好きだった。
だから、の手料理を食べてみたかった。
これが、俺が追っ掛けていた理由。
俺が“好き”って言ったら、は顔を紅くしたまま、動かなくなってしまった。
「いっただきー!!」
そんなの隙を見て、俺は最後の一枚になってしまったクッキーを奪う。
「あ・・・・こ、こら!!食べたな!!!」
「ヘヘッ・・・・ご馳走様。じゃあな。」
漸く食べられた、のお菓子。
先ずは一つ目の願いが叶った。
さぁ、次は二つ目の願いを叶えなければ。
そう、二つ目の願い。
これも、かなり重要。
それは・・・・・・。
「!!今度はお前を貰うからな!覚悟しとけよぉ!!!」
俺の二つ目の願い。
それは、を俺の恋人にすること。
絶対に叶えてみせるから、覚悟しとけよ?