元気が、無かった。
弱点
は、朝から怠そうだった。
何時もみたいに、毒舌でもない。
俺に、色々な事を聞いたりしない。
「なぁ、。一体どうしたんだよ。」
「ブン太・・・・・今日は、私に近付くんじゃない。近付いたら・・・・。」
「近付いたら・・・何だよ。」
「否・・・・何でもない。とにかく、近付かなければ良いんだ。分かったか?」
俺の返事を聞くまでもなく、眠ってしまった。
返事くらい、聞いてから寝ろよ。
自分勝手・・・・・というか、我が道を行く・・・というのか・・。
「勝手だよなぁ・・・・やっぱり。」
近付いちゃいけないって事は、髪にも触れちゃいけないのかよ。
じゃあ、どうして学校に来たんだよ。
来たからには、触ったって構わないだろぃ?
「うん・・・・?なんか、違うな。」
別に、触る必要はない。
だって、決まり事じゃないし。
そりゃあ・・・・毎日、触っていたから癖にはなっているけどよ。
ある意味、習慣だよな。
あの綺麗な、髪。
日光に当たっても、月光に当たっても・・・・キラキラと輝く、綺麗な綺麗な長い髪。
ずっと、触れていたい。
他の奴には、触れさせたくない・・・・の、長い髪。
(惚れ惚れするぜ。本当に。)
何だか、触れたくなってきた。
急に、触れたくてムズムズしてきてしまった。
でも、近付くなっては言うし。
この感情を、どうしたら良いんだろう。
我慢できるだろうか?
俺、そんなに我慢強くねぇよ。
でも、触れたら怒るんだろうなぁ・・・・の事だから。
(ちょっとだけ・・・・・ちょっとだけなら・・・・。)
俺は、少しだけ触れてみようと試みた。
その瞬間・・・・・。
「・・・・・・貴様・・・死にたいのか・・・?」
が、俺の腕を掴み、睨み付けてきた。
紅い・・・・あの瞳は、焔よりも紅く輝いていた。
何時もとは・・・・違う。
背中に、汗が伝っていくのが分かる。
「ブン太・・・・・悪いが、血をくれないか。もう駄目だ。くれ、よこせ、私に与えろ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・血かよ。
「ちょ・・・・・待てよ?俺が、ウ゛ァンパイアになっちまう!!」
「問題ない。それを望むなら、なる。望んでいないのなら・・・ならないさ。」
それを聞いて、変な気分になった。
なれば、といられる。
ずっと側に、いる事が出来る。
けど・・・・・けど、仲間は?
「ぃっ・・・・・っ・・・。」
俺が、考え事をしている時だった。
首の辺りに、軽い痛み。
そして、そこにはの顔があった。
あぁ・・・・俺の返事を聞かずに飲むのかよ。
お前、やっぱり勝手だよ。
「悪かったな。大分楽になった。」
「そうかよ・・・・・。」
どうやらは、月に何回か血を飲まないといけないらしい。
我慢は出来るが、近付けば何をするか分からない。
・・・・・まぁ、理性が切れていたらの話だけど。
「また宜しくな。」
「ハハ・・・・。」
まぁ、良いか。
好きな女に、血を飲まれる・・・・なら・・・な。