「ブン太、あれは?」
期待
今日は、部活は休み。
だから、とデート・・・・・じゃないけど、二人だけで遊びに出掛けている。
本当なら、デートって言いたい。
堂々と、デートって言いたい。
でも、無理なんだよなぁ・・・・・。
「ブン太、聞いているのか。」
「あぁ、聞いてるって。」
聞いてないけど。
悪い、聞いていませんでした。
もう、との関係を考えっぱなしだったから。
「聞いてなかったな。ブン太。」
「・・・・・・・・・・悪い。」
に、嘘は通用しない。
やっぱり、するだけ無駄だった。
無駄なあがきだった。
俺は、勉強していないのか?
否、している。
絶対に、している。
「さぁ・・・・たまには、俺にも質問させろぃ。」
「何故。」
「俺だって、知りたい事があんだよ。」
そうだ。
知る権利は、誰にでもあるんだ。
この俺にも、知る権利はある。
「・・・・・まぁ、良いだろう。言ってみろ。」
・・・・・・・・・・なんか、やっぱり偉そうだな。
「聞きたくないのか?」
「あー・・・・・うん。は、何歳なんだ?」
「貴様、女に歳を聞くなんて良い度胸しているな。」
年齢は、即却下された。
そして、軽く殴られた。
手加減したんだろうけれど・・・・・・俺としては痛かった。
「次。」
「え・・・えーと・・・・何で、地球に来たんだ?」
「偶然だ。」
あっさりしていた。
さっぱりしていた。
かなり、簡潔だった。
偶然。
地球は、偶然だった。
でも、来てみたい・・・そう思っていた。
あの、青い地球。
緑もあるが、青が強調されている美しい星。
自分の世界と、丸っきり違う。
真逆の、存在。
きっと、誰もが惹かれるだろう。
この地球の蒼は、美しいから。
私は、涙が出た。
嬉しいのか、感動したのか、感激したのか、悲しいのか・・・・・それは、分からないけれど。
は、俺にそう言った。
何度も何度も、美しいと言った。
俺は、自分の目で地球を見た事が、ない。
日本の、ごくごく一部の景色しか知らない。
けど、は・・・・・は、違う。
地球の蒼さを、見たんだから。
「他に、質問は?」
「・・・・・・・。」
俺は、迷った。
こんな所で、言うべきじゃない気がしたから。
逆に、今しかないんじゃないのかとも思った。
「は、俺の事を・・・どう思ってんの?」