昨日の出来事でした。



















































昨  日
































































































「君・・・・また告白されたんだね。」







「告白と言われても・・・・どうせ、一時の感情ですぐに失くなる言葉よ。」







「ふぅん・・・・・。」



























































最近、自分がどうかしていると思う。








きっと、可笑しくなったんだろうと、認識はしているけど。








どうして、可笑しくなってしまったのかが分からない。








ただただ、が何月何日に誰に告白されて、一日に何人の男をフッて、それを知って安心している僕が、此処に存在しているというだけだ。








人は、これを何て言うんだろう。








こんな、曖昧で曖昧な曖昧過ぎて曖昧ばっかりの、この感情を。








人は、好きだと言ってしまうのだろうか。








ただの、欲望で自分勝手で最低な感情を。








好きと、定義してしまって大丈夫なのだろうか。

























































こんな風に考え始めたのは、何時だったのだろうか。








何て、考えても自分でもよく分かっていない。








でも、今までの自分とは違うとは感じている。








そうなったのは、きっと・・・・・・・・。

































































































「貴方、好きな人とかいないの?」







「・・・・・・・何?突然。」







「貴方も、一応人間の男なのだから・・・・・恋くらいするんじゃないかって思っただけよ。」







「・・・・・・一応は余分なんだけど。」








「あら、悪かったわね。貴方、人間離れしている所があるから“一応”と付けたのだけたのだけれど・・・・・。」















何て、失礼なんだろう。








普段の僕なら、きっとトンファーで顔面を殴っている。








でも、どんなに失礼な事を言われても、だけは殴った事はない。








殴った事がないというか、殴れなかった。








いくら僕の脳が命令しても、トンファーを持っている手は、反応しなかった。








それ以来、何度殴ろうとして、拒絶されたか・・・・・数えるのも馬鹿馬鹿しくなったから、数えるのを辞めた。








・・・・・・・やっぱり、僕は可笑しくなってしまったに違いない。








そうなってしまった僕は、今までの僕ではいられなくなってしまうのだろうか。








自分が、進化する。








それは、別に悪いとは思わない。








でも、この距離は・・・・・変わって欲しく無いと感じてしまう。








・・・・距離か・・・・自分で言ってみたけど、と僕の距離なんて・・・測った事ないや。








今の距離は、測定可能だけどね。きっと三十センチも離れていないんじゃないかな?














































































「さて・・・・と。行くわ。」







「何処に?」














書類の山を見ながら、僕はに疑問を投げ掛ける。









この時間は、まだ応接室でゆっくりしている時間。








出ていくなら、何かしら理由がある。








なら、その理由はなんなのだろう・・・・・僕は知りたくて仕方が無かった。








最近の僕は、やたらとの行動を知りたがっている様な気がする。








すると、は僕に向かって、“安心しなさい”と言いたそうな表情をしてこう言った。














「告白をされに・・・・ね。きっと、振るだけだと思うけれど、折角だから、行ってあげないとでしょう?」







「こういう場合・・・・・律儀というべき?」







「さぁ・・・・どうかしら。案外、振るのが趣味なだけかもしれないわよ。」







「・・・・・・・・ふぅん。」













平然を装ってみたものの、内心は余り良い気分とは言えなかった。







理由?そんなの決まっている。








が、他の男に会いに行くから。








そして、男を振ろうとしているから・・・・・。








もしかしたら、僕も同じになってしまうんじゃないだろうか。








そんな事を考えたら、何だか不安になってきてしまった。








何を考えているんだろう。








これじゃあ、まるで・・・・・・・・・・・・・・・。




























































「・・・・・・・・まるで、草食動物みたいじゃないか。」







「・・・・・・何を言っているの?」














・・・・・・しまった、声に出してしまった。








あぁ・・・・・もう、どうして声に出してしまったんだろう。








これじゃあ、に変な人間だと思われてしまうじゃないか。















「何でもないから・・・・・早く行きなよ。待っているんでしょ?」







「・・・・・そうね。そうするわ。」














この時僕は、気が付かなかった。








が、どんな表情をして応接室を出て行ったのかを。








この時、彼女が何を望んでいたのかを・・・・・・・。


















































































「悪いけど・・・・貴方じゃ無理だわ。」







「なっ・・・・どうして・・・って聞いてもいい?」














全く・・・・・どうして何度も聞かれるのかしら。








そんなの、決まっているじゃない。








何故、こんな決まりきった台詞を何度も言わなければならないのかしら。








決まって、決まってしまって、私には分かりきってしまっている言葉を、何度言えば・・・・赦してもらえるのだろう。








もう十分な気がしてならない。








私は、十分付き合って、十分我慢して、十分見つめていて、十分抑え続けていて、十分・・・・・十分過ぎるんじゃないかってほどに十分を使い果たした。








そんな私に、何もくれないのだろうか。








日常に、変化を齎せてくれないのだろうか。








あぁ・・・・・誰かを責める事は出来ない。








だって、悪いのは私。








変化を望んでいるのに、行動しない自分が、悪いのだから。














「あの・・・・・さん?」







「もう十分よね。・・・・・あぁ・・また使ってしまったわ。」







「は?」







「あぁ、あぁ・・・・・分からなくて良いの。分からないで頂戴。分かって欲しくないわ。分かるのは、私を除いて一人で良いのよ。

そう・・・・偉そうで、我が儘で、自分勝手で、身勝手で。こんなに私を可笑しくした雲雀恭弥だけでね。」














そう、彼が分かっていれば良い。








私の事は、あのムカついて仕方が無い風紀委員長が分かっていれば問題無い。








あぁ・・・・・何で好きなんだろう。








どうして、好きだなんて思ってしまったのだろう。








恋愛なんて、彼には似合わない気がする。








一匹狼の彼は、一生一人でいるべきなんじゃないだろうか。








恋愛をせず、特定の女なんか作らず、一人で行動して、一人で過ごす。








そんな感じが、似合っている様な気がしてならない。








だから、私は言わない。








だから、伝えてなんてあげない。








私の、本当の気持ちは・・・・・私だけが分かっていれば良い。








卒業すれば、きっと別れる。








だって、彼は並盛中から離れないだろうから。








この、大好きな場所を。








誰よりも、愛している場所を。








離れる事は、絶対にしないだろうから。




























「何十回だって言ってやるわ。私はね、あの最強で最恐で唯我独尊の風紀委員長、雲雀恭弥が好きみたいだわ。」


















































































































「・・・・・・・・それ、本当?」















別に、盗み聞きするつもりはなかった。








でも、結局は盗み聞きする立場になってしまったけれど、が本当に付き合う気はないのか気になって気になって気になってしまって・・・・・付いてきてしまった。








僕は、何をやっているんだろう・・・・そんな風に自問自答しながら、陰に隠れていたんだけど・・・・・。















「君が、僕を好きだなんて・・・・咆驚だね。」








「貴方が、覗き見するのが趣味だとは知らなかったわ。」







「ワオ。それは違うよ。違わない気もするけど、結果的にそうなってしまったけれどね。そんなつもりはなかったよ。」







「言い訳にしか聞こえないわ。言い訳過ぎて・・・・・みっともない。」














正直、睨まれるとは思わなかった。








万が一されたとしても、呆れた表情をされるだけだと思っていたのに。








成る程。は、盗み聞きと覗き見を嫌うのか・・・・今度からは気をつけよう。








今日は、気をつけたってもう仕方ないからね。














「で?貴方の用はなにかしら?」














にそう言われて、暫く考え込む。








特に用があるわけじゃない。








ただ単に、が本当に振るのかが気になっただけだから。








だから・・・・無いような・・・・・・。














・・・・・・・・・・・・・・・。








暫く、考えてみた。








ふと、何か突っ掛かっている気がして、気分が悪くなってきた。








何だろう・・・・・気持ち悪くて仕方が無いよ・・・。














「無いの?無ければ、さっさと応接室に戻りなさい。」







「・・・・・・・・・・否、あったよ。うん。あったあった。気持ち悪いのが、スッキリしそうだよ。」







「何を一人で納得しているのかしら。」








「僕はね、君と付き合いたいんだよ。本当に、僕だけのモノにしてしまいたいんだよ。

なんて、自分勝手だけど・・・・・好きなんだから仕方ないよね。君なら分かってくれるよね?だから・・・・・・。」




























































































































他の男の告白なんて聞いていないで、僕の告白を受けて付き合いなよ。





















































































































「・・・・・・・・全く・・・勝手だわ。」







「そんな僕も好きでしょ?愛しく感じるんでしょう?僕は君のモノなんだから・・・・ちゃんと責任とって愛してよね。」







「・・・・・・自分勝手・・・はぁ・・・私の初恋間違えたかしら。」







は、深い深い溜め息をついた。








何がそんなに嫌だったんだろう。








僕だって、君が初恋なのに。








僕は、この初恋を間違ったなんて思っていないのに。








君は、間違ったなんて言うの?








僕を、好きにならなかった方が良かったなんて・・・・言ってしまうの?









そんなの・・・・・赦さないよ。








君は、僕のモノなんだからね。















「ねぇ・・・・・初恋って、別れやすいのよね。知っていた?」







「は?何それ。僕は信じないよ。それとも何?他の女と付き合ってから君と付き合えっていうの?そんなの嫌だからね。」







「あのね・・・・・ただ別れやすいだけで、必ずって訳じゃないわ。全く・・・直ぐにむきになるのね。」







「だって・・・・・嫌なんだよ。」















嫌だ。絶対に、嫌なんだ。








と離れるなんて、恋人になった今、考えたくもない。








僕は、離さないよ。








君と一緒に卒業して、同じ学校に通うんだ。








そして、最終的には結婚までするって今日決めたんだからね。













「そんな変なジンクスみたいなの・・・・・この僕には通用しないからね。」







「そうね。貴方には通用しそうにないわ・・・・・。」














今日、僕は恋を始めた。








きっと、もっと前から恋をしていたんだろうけど・・・・・。








お互いに、初恋同士。








僕が君を離すことは、死んでもないと思うよ?





































これが、僕達の関係が変わった日だった。