今日の事
「今日。」
「、僕の膝の上においで。」
「お断りするわ。恥ずかしくて仕方がないもの。」
「何を言ってるの?僕達以外、誰もいないし・・・・・恋人っていうのはこういう事をするって決まりがあるんでしょ?」
「・・・・・・・・してもしなくても、良いと思うわ。」
本当に、そうなのだろうか。
昨日、辺りのカップルを見渡していたら・・・・そういう光景が、何度か目に入った。
だから、僕も真似してみようと思ったのに。
は、恥ずかしがり屋だから、したくないんだね。
そんな君も、愛しく感じて止まないよ。
でも、僕はしてみたいと思うんだけど。
君は、僕の願いを聞いてくれないのかな。
聞いてくれたら嬉しいし、きっとだって嬉しくなってくれるんじゃないかって思うよ。
そう思う僕は、自分勝手なのだろうか。
彼女の意見を、聞き入れるべきなの?
「・・・・・・・結局、受け入れないのね。」
「当然。僕がしたいって思ったんだし・・・・幸せなんだから良いでしょ?」
「自分勝手ね・・・・・。」
結局、僕はを引き寄せ、膝の上に乗せた。
うん、凄く良いね。
弱者も、時には役に立つんじゃない。
感謝はしないけど、これを考えたのは誰なんだろうとか少しだけ思ってみた。
・・・・・・・・考えるだけ無駄なんだけどね。
「良い匂いがするね・・・・・・安心するよ。」
「最恐の風紀委員長が、こんなに甘えん坊だとは思わなかったわ。」
「僕だって、人間だからね。甘えたい時もあるんだよ。」
「あぁ・・・・・成る程。そうだったのね。知らなかったわ。」
・・・・・・・・・は、僕の事をどう思っているんだろう。
聞いてみたかったけど、きっとはぐらかすのが上手な君だから、教えてはくれないんだろうね。
でも、聞くだけ聞いてみようかな・・・・・答えてくれる可能性だってあるんだから・・・・・・・ね。
「はさ・・・・不安になった事あるの?」
「不安?さぁ・・・・無いんじゃないのかしら。」
「ふぅん・・・・・ないんだ。好きな相手が、自分の事どう思っている・・・とかさ。」
「ないわ。」
随分、あっさり言い切るんだな・・・・・。
僕なんて、を好きになってからは、不安で不安で仕方ないよ。
全く・・・・どうしてこんなに差があるんだろうね。
そう考えていると、はこう言った。僕に向かって・・・・・。
“好きになったのが先か・・・・・それとも、後かで変わるものよ。”
これが、僕達が付き合い始めて初日の出来事だったんだ。