「何だと?」
真実
「せやから、彼女は諦めろって言ったんや。」
こいつ・・・・・正気か?
今、本気で俺に、そんな事を言ったのか?
“を、諦めろ”・・・・・・と。
冗談じゃ、ない。
俺は、以前にも言ったはずだ。
の事は、諦めない・・・・・と。
絶対に、諦めたくない。
「テメェには、関係ない話しだろうが。」
「それが、あるんや。紹介したのは、俺やろ?それなら、少しは俺も関わりがあるって事やで。」
「それが、どうした。」
関わったとしても、ほんの少し。
ほんの、一握り。
それだけなのに、こいつは関わろうとする。
俺の周りを、ウロウロと何かを嗅ぎ回る忍足。
そんなに、面白いのか・・・・・?
「彼女は、やめとき。付き合いの長い俺が、忠告しとるんやで。」
「・・・・・・・・だから・・どうした・・・。」
俺とが関わった時間と、忍足とが関わった時間。
一体、どの位の差があるというのだろうか。
そもそも、時間の長い短いは、関係あるのか?
「忍足・・・・別に、俺の周りをウロウロしたって構わねぇよ。
だが、お前は黙って見てろ。グダグダ文句つけんなら・・・・お前を、潰してやる。」
「ほんま・・・・・強情やな。俺は、忠告したで。」
“後悔は、ないに限るんやけど・・・・・。”
忍足は、笑っていなかった。
ふざけている様にも、見えなかった。
何なんだ・・・この違和感・・・・・。
何時もの様に、笑えよ。
あの、ムカつく様な表情を見せろよ。
何故か、不安になってくてしまう自分がいる。
どうしたら、良い・・・・・?
(畜生・・・・・・否、もしかしたらあれが演技なのかも知れない。信じるべきじゃないのか・・・?)
暫く、立ち止まっていた俺は、歩み始める。
目標は、定まった。
後はただ、そこに向かって歩くしかない。
問題は、そこにいるかどうか・・・・・だ。
「、いるか?」
俺は、がいそうな場所を捜した。
これで、捜した場所は数箇所。
後は、何処を捜せば良いのか・・・・・見当がつかない。
・・・・どうか、いてくれ・・・・・。
「どうしたんですか。跡部先輩。」
「此処にいたのか・・・・・。」
「はい。今日のお昼ご飯は、この場所が良かったので・・・・・。」
「そうか・・・・・・。」
発見できた、安堵感。
を見た瞬間、忍足の奇怪な行動による不安が、消え去っていく。
抱き締めたい・・・・・。
ふと、俺の中に、そんな感情が沸き上がって来た。
を抱き締めて、存在を感じたい。
そんな感情が、俺の中で芽生え始めた。
俺は、この感情に素直に生きたい。
だから・・・・・・。
「・・・・・。」
「あ、跡部先輩・・・・?」
「なぁ・・・・俺を助けてくれ・・・・・。」
自然と、涙が出て来た。
どうして涙が流れるのか、俺には分からない。
ただ、助けて欲しい。
俺を助けられるのは、しかいないと思うから。
それが、俺にとっての真実・・・・・。
