出会いは突然だった。
何の変哲もない。
何処にでもあるような出会いだ。
永遠に______。
俺の現在の恋人との出会い。
まぁ、俺にしては平凡だった。
かといって、どんな出会いが良いかなんて希望もない。
俺にとってはどうでもよくて。
ただただ、彼奴に出会えた事が嬉しかった。
出会う事など無いと思っていた、最愛の女。
閉じ込めて、永遠に自分だけが見られるようにしたいと思ってしまうような女。
彼女を見ている奴等の目を潰してしまいたい。
出来る事なら・・・・・。
そんな事を思っていたとしても、流石の俺にも無理だ。そんな事は出来なかった。
精々、出来る事は金を使って彼女を俺のいる学園に転入させ、同じクラスにいさせる位だ。
この俺が、一人の女にこんなにも溺れるなんて。
ましてや一目惚れなんてな。
映画のワンシーンでもあるまいし。
忍足が、興奮しながら話をしていたラブ・ロマンスも馬鹿にしていた。
しかし、今となってはそれも有りだなんて思ってしまう。
(案外、単純だったんだな・・・・。俺様は。)
しかし、俺の恋人____ ____は何処かこう・・・そこら辺にいる女とは違う。
初めての出会いは、こうだった。
部活が終了し、いつもの様に忍足達と帰ろうとしていたその時だった。
「貴方が、跡部景吾?」
突然、俺は校門の付近で女に声を掛けられた。
「あーん?」
俺は、怪訝そうに声の主の方に顔を向けた。
その当時の俺は、何処の学校だろうと来る者拒まずで、色々な女を暇つぶしの道具
として扱っていた為か、女の制服には見覚えがあった_______が、
顔は全く見覚えがない。
それに、女も俺が跡部景吾だとはよく分からなかったらしく、色々な生徒に話し掛けていたようだ。
”やっと見つけた”
そんな表情を一瞬だけ見せた。
「なんだよ、また告白タイムの時間か?」
「もてる男は辛いっすね。跡部さん。」
_______うるせぇ奴等だ。
どうでもいい女にチヤホヤされて何が良いんだ。
そんなに良ければくれてやる。
俺にしてみれば、うざったい存在以外の何者でもない。
そんな時だった・・・・・。
「こんな男に告白?馬鹿にしないで下さい。」