「こんな男に告白?馬鹿にしないで下さい。」


その台詞にただただ驚いた。

































































永遠に_____。




































































信じられなかった。

まさか、この俺に向かってそんな台詞を言う女がいるなんて。








「・・・・・・何だと?」

「だから、貴方みたいな男に誰が告白なんてするもんですか。」



どうやら、聞き間違いではないらしい。

告白ではない・・・・じゃあ、何だ?




























「貴方を殴りに来たんですよ。」





























・・・・・・・・・・・・・ありえねぇよ。

俺がお前に何をしたんだよ。初対面の女に何かできる程器用じゃねぇよ。

答えによっては、いくら女だとしても容赦しねぇぞ。




「友人を弄んだ罰です。黙って殴られて下さい。」

「はぁ?ふざけんじゃねぇよ。却下だ。却下。」




確かに、殴られた事はある。

むかついたが、それで相手がしつこくまとわりつかないならばそれも良いと思った。



だが、今の状況は明らかに可笑しい。

何故、この女に殴られなければいけないのか。

殴りに来るならば、その遊ばれた女の方だろうが。

この女、頭が可笑しいのか?

一回病院で診察した方が良いんじゃねぇ?

なんなら、俺が良い医者紹介してやっても構わないがな。









「普段は、こんな事はしないんですけどね。今回は特別に来ました。」

「だから、そんなものは却下だって言ってんだろ?お前、耳悪いのか?」

「悪くないですよ。問答無用で殴らせて頂きます。」




そう言うや否や、女は俺に殴りかかってきた。










だが、所詮は女。

男の俺に敵う筈がない。



「残念だったな。」

「・・・・・・避けないで下さいよ。この馬鹿男。」

「そんなに殴られてばかりじゃあ、俺の顔が歪んじまう。」





”馬鹿男”という発言は、少しばかりカチンときたが、俺は何とか平静を装い反論した。





「・・・・ナルシスト。」

「あぁ、悪いか?」


「チビ助。」

「・・・・・・・・・あーん?!」





この俺様が・・・チビ助だと!?


「単純馬鹿男。」

「おまっ・・・・・!!!」





流石の俺も、この発言には頭に来た。

一体何様なんだ。この女。散々俺の事を貶しやがって。
















「貴方は、愛を知らない人間なんですか?」




















”愛”だと?そんなくだらない感情・・・・・俺には必要ない。













「一度でも良いから、本気で誰か一人を愛してみたら如何です?」




















そんなモン・・・・あったって・・・俺には・・・・。




















「初めから、諦めて馬鹿みたい。」





















・・・・・・・・・・・馬鹿馬鹿うるせぇ女だな。

お前は、馬鹿しか言えないのかよ。



















パチン・・・。



















何かが軽く俺の頬に触れた。

気が付くと、目の前の女が、俺の頬を軽く叩いていた。



「・・・・・・・・何しやがる。」

「見て分かりませんか?叩いたんですよ。」


「一生に一度、愛を経験したらどうですか?」

「そんな経験、したって無意味だろ?」


そうだ。無意味だ。

どうせ誰も俺の事なんか愛していない。

愛しているのは”俺”という一人の人間じゃないんだ。


















「無意味かどうかは、経験してから言って下さいよ。」

そう言って、女は俺に向かって微笑んだ。














その時だった。




















ドキン・・・・・。










俺の胸が、高鳴った気がしたのは。







なんなんだ。

この気持ちは。

高々、この女の笑顔を見ただけじゃねぇか。





















何なんだよ______。

今までにないこの感情。










今までにない、感情に戸惑いながらも、俺は女に向かってこう言っていた。





















「お前、俺の女になれよ。」