「明日、デートな。」
「却下させて頂きます。」
自分勝
手
折角、初デートに誘ってやったのに、の奴却下しやがった。
何だよ。
そんなに俺様といるのが嫌か?
もう恋人同士なんだから、何したって自由だろ?
「さよか。強引にやり過ぎたんちゃう?」
「バーカ。そうでもしないと、違う男に盗られるだろ?
そうなったら、なかなか奪えないからな。あぁいった女は、なかなか振り向かない。だから、無理矢理にでも恋人にした。」
「やれやれ。自分、まだキスもしとらんやろ。どうせ。」
「はん。だからどうした。付き合い始めてそんなに経ってねぇんだし、焦る事ないだろ。」
焦る事はない。
だが、デートを却下されるって言うのはな・・・・・。
流石の俺も、辛い。
と、仲良くしたい。
もっと親密になりたい。
にも、俺の事を知って欲しい。
それなのに、こんな状況だ。
「ったく・・・デートの何が嫌なんだよ。良いじゃねぇか。そうだろ?」
「せやなぁ・・・・・俺のなら、凄く嬉しそうにするけどなぁ。やっぱり、好かれてないんやな。」
「うるせぇ。」
「“うるせぇ”なんて、言葉遣い悪くないですか。」
「あーん?か・・・何しに来たんだよ。」
教室の入口に、が立っていた。
何時からそこにいたのだろうか。
俺は、全く気付かなかった。
「何だとは、なんですか。折角持って来たのに。もしかして、要らないんですか?構いませんよ。他の人にあげても。」
そういって、は包みを目の前でブラブラと揺らす。
あ、あれは・・・まさか・・・・・!!!!
「うわっ!やるな!!俺が食うからっ!」
あれは、弁当だ。
間違いない。
昨日、必死になってに頼み込んだ品物だ。
それを他人にやるなんて、断固反対だ。
「ふん。もう少し言葉遣いを気をつける事ですね。二度と作ってあげませんよ。」
「分かった。分かったから。気をつける。だから、作ってくれ!」
「はぁ・・・・あれが跡部とはな。情けない。」
「、デートなんだけどよ・・・・。」
「断った筈です。却下だと。」
昼飯を一緒に食べながら、俺は、もう一度に尋ねた。
答えは、思った通り。
けれど、そんなんじゃ納得出来ない。
「何で却下なんだよ。訳を言え。」
「何でデートしないといけないんですか。毎日登下校しているだけでは、満足出来ないと?」
「出来ない。単に、家と学校を一緒に行き来しているだけだろ?それだけじゃあ、物足りない。」
「・・・・・我が儘。」
ポツリと、呟いたつもりなんだろうが、俺は、ハッキリと聞こえた。
「あぁ、知ってる。俺は、我が儘だからな。」
フン、開き直ってやる。
こうなったら、どんな事をしてもデートしてやるからな!!!