「行くぞ。」
自分勝手
俺は、を強引に連れ出した。
そうしなければ、彼女は来てくれないから。
朝、迎えに行くと、凄く不機嫌そうにしていた。
の両親は、快く迎えてくれたのに。
お前は、どうしてそんなに不機嫌なんだ?
「休日に、俺様に会えて嬉しくないのかよ。」
「嬉しくありません。」
「言うじゃねぇか・・・・・。」
流石は、だ。
感心してやるよ。
「ほら、行くぞ。」
「・・・・・・・・・・チッ。」
今度は、舌打ちかよ。
そこまで、俺とのデートが嫌か。
そんな態度ばかり取るなら、既成事実を作って、結婚まで持ち込んだって良いんだぜ。
分からない奴には、分からせるまでだからな。
「ほら。」
俺は、と手を繋ごうとする。
しかしは、俺の手を握ろうとはしない。
「ったく・・・・そんなに嫌なら、もう知らねぇよ。好きにしな。」
「あ・・・・ちょっ・・・・・・。」
俺が歩き出すと、は慌てて、俺の手を握って来た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・可愛いじゃねぇか。
強気な性格も良いが、こういう所も好きだ。
「行くぞ。」
俺は、の手を引き、歩き出した。
「な・・・・・んですか。此処は。」
「何って・・・・決まってるだろうが。」
は、呆然と突っ立っていた。
何をそんなに驚く?
これは、普通だろ?
それとも、普通じゃないってのか?
俺達は現在、オペラ会場に来ている。
勿論、貸し切り。
これを、嫌だって言うのか?
おいおい・・・・折角最高のキャストで頼んだのによ。
「私、帰りたくなってきました。帰っても構いませんか?良いですか?良いですよね!!?」
「は?おまっ・・・・ちょっ・・・・・待て!!まだ、こんなん序ノ口だろうが!
いいか、よく聞けよ?これから、オペラを観賞。そして、ディナー。最後に、ホテルに行くんだ!!!」
「何ですか、ホテルとは!どうして貴方とホテルなんですか!!!」
「うるせぇ!もうお前の両親には、了承を得たんだよ。
だったら、キスの先に行っても良いじゃねぇか。好きな女を見て、何も思わないなんて、変だろ!」
「・・・・・・・・・・自分勝手過ぎます!」
は、尚も俺に反抗的な態度を取る。
あぁ、そうかよ。
そっちがその気なら、俺も勝手にするからな。
「おい、オペラは無しだ。ディナーもな。ホテルに行くぞ。」
「は!?ちょっと!!!」
「黙れ。」
俺は、有無を言わさず歩き始める。
もう決めた。
を、完全に自分のモノにしてやる。