「跡部・・・・・ね。」













































知らないから



























































「そんなに、好きなら告白しなさいな。」





「だから、出来ないの!」





「なら、諦めなさい。」





「それも、出来ないの!!」





「・・・・・・・我が儘な、生き物ね。」






































人間は、我が儘な生き物だ。













あれも、これも。













何でも、欲しがる。













欲を、解消する為に。













一つ手に入れば、また一つ。













また一つ手に入れば、もう一つ。












これを、繰り返し繰り返し。













死ぬまで、繰り返す。




















































「それで、一体どうするの。諦めたくても諦めたくない。その、跡部景吾という人間を。」





「うーん・・・・どうしたら良いんだろう。ねぇ、。何か無い?」





「悪いけど、私は・・・・知らないわ。貴女の力になれない。」













































そろそろ行かないと、彼が来る。













この時間には、必ず。













私は、待たせるわけにはいかないから。













彼女の話に、これ以上耳を貸せない。

































「御免なさいね。」



































私は、彼女に謝罪し教室を去った。













何か叫んでいるけれど、振り向く気は・・・・ない。













立ち止まって、振り向いて、その気にさせて、期待させて・・・・・ソレを裏切る。













そういうモノは、ない。













私は、そういう事を・・・・・出来れば、したくない。








































































「待たせたわね。」





「大丈夫ですよ。今来たばかりですから。」




























彼は、壁に寄り掛かり本を読んでいた。













本当に、本が好きなのね。













私と本・・・・・どちらが好きかを聞いたら、絶対に困るわ。














それにしても、他校の制服は目立つ。












私が彼の学校に行っても、目立つ。













彼はきっと、それが嫌なのかもしれない。













私を、絶対に待たせようとはしない。















































「相変わらず、堅いわよね。」





「何が、ですか?」





「何でもないわよ。あるとしても、言わないわ。」





「私に、秘密ですか?」





「そうよ。」




























もしかしたら、一生教えてあげないかもしれない。













それでも、構わない。

























































さん、言って下さい。」





「駄目。比呂士、秘密は言えないのよ。」






















彼は、納得がいっていない。














でもこうしておけば、比呂士は私の事を考えていてくれる。













私だけを、見ていてくれるでしょう?

















































「さ、行きましょう。時間が、なくなるわよ。」





「あ・・・・さん・・待ってください。」


























































・・・・・・・・。」