書き始め、
「駄目だ。書けない・・・・。」
紙を、床に落とす。
ペンを、机に投げ付ける。
書こうと、思った。
今なら、書けるんじゃないかって思った。
だから、ペンを持ち、紙を取り出した。
紙と、向き合った。
すると、頭の中がグチャグチャになってしまった。
(言葉にしちゃえば良いのかな・・・・・。)
ふと、そう考えた。
言葉に出来るならば、口に出してしまえば、良いんじゃないか。
それも、考えた。
でも、駄目だった。
口から出てくるのは、皮肉ばかり。
僕は、伝えたい本当の詞が出てこない。
全く・・・・自分でも、呆れてしまう。
だから、手紙で書ければと思った。
けれど、結果はコレ。
紙は、真っ白。
書けたとしても、一文字。
一文字書けば、書こうとしている手は、止まってしまう。
憎たらしい。
本当に、憎たらしいよ。
僕は、どうしてこうなんだろうか。
「馨〜・・・・・僕の代わりに、書いてくれない?」
「駄目だよ、光。それじゃあ、全く意味がないじゃない。」
馨は、書いてくれそうになかった。
結局は、自分でやるしかない。
「・・・・・・“へ”・・と・・・・。」
再度、挑戦を試みる。
「・・・・・・・・・。」
またしても止まってしまう。
それ以上、動こうとしてくれない。
「・・・・・・・・・・はぁ・・・。」
紙を、クシャクシャに丸める。
ペンは、机に置いた。
このままだったら、は僕を見てくれない。
それは、困る。
そう思っているけれど、なかなか出来るものじゃない。
「馨〜・・・・・。」
「絶対に、駄目だからね。」
強い、拒否反応。
これ以上は、言えなくなっちゃったじゃないか。
「書けない・・・・・書けないよ・・・・。」
頭を抱え、悩む。
に、伝えたい。
でも、出来ない。
格闘して、葛藤して、
僕は、ずっと悩む。
「簡単なんだけどなぁ・・・・・。」
「じゃあ、言葉で伝えたら?それか、メール。」
「言葉は、無理。メールは、アドレス知らないから出来ないよ。」
「何で聞かないの?」
無理な事を、言うなぁ。
聞かないんじゃなくて、聞けないんだよ。
好きな子には、なかなか聞けない。
勿論、からも聞いてこない。
彼女の性格から見ると、聞いてくる性格じゃない。
あぁ・・・・本当に、どうしたら良いんだろうか。