書き始め、
僕が、好きになった相手。
クラスメイトの、。
彼女は、目立つ相手じゃ無い。
窓際の席に、静かに座っている。
大きな瞳に映るのは、窓から見える景色。
大好きな、本の文字の数々。
授業中に、教師によって汚れていく、チョークの字。
そして、彼女に話し掛ける人間。
僕も、その中に入りたかった。
でも、入れる筈もなく。
外から、彼女を見つめているだけ。
ホスト部にだって、誘いたかった。
まともに話し掛けられない僕が、どうやって?
好きな子に限って、こうなるんだ。
僕は、何も出来ない。
(好きだなぁ・・・・・。)
今日も、少し離れた席に座っている彼女を、盗み見。
毎日、この行為の繰り返し。
見つめては“好きだ”と感じる。
その反面、胸が痛む。
気付いてくれたら、どんなに楽なんだろうか。
今日も、紙と格闘するんだろう。
僕は、意気地無しだ。
「はぁ・・・・・・。」
「光。溜め息ばかりついていると、その分幸せが逃げるぞ!!」
「はぁ?」
殿は、煩い。
どうしてそんなに、元気なんだろう。
僕も、殿みたいだったら良かったのに。
そうしたら、あっさり言ってしまえるかもしれない。
「恋でも、しているみたいだな。」
「放っておいてよ。鏡夜先輩。」
知っている癖に。
鏡夜先輩は、絶対に知っている。
あぁ・・・・・鏡夜先輩だったら、かなり良い台詞を言えるんだろうなぁ。
そうすれば、此処まで悩まなくて済んでしまうのに。
「こんな時は、甘い物が一番だよ。はい、僕のケーキあげる☆」
「遠慮しときます。今は、欲しくないし。」
ハニー先輩かぁ・・・・・。
持ち前の可愛さで、彼女をドキドキさせるとか?
あぁ・・・・駄目だ。
彼女は、大人っぽい・・・・落ち着いた感じが好みの様に感じる。
「・・・・・・・・・・・・・。」
あれ?
ちょっと待って・・・・・。
「駄目じゃん・・・。」
駄目だ。
駄目、絶対に駄目。
それじゃあ、僕は駄目なんだ。
僕は、まだまだ子供で。
自分で感情を、制御しきれていない所がある。
「・・・・・っ・・・。」
僕は、立ち上がる。
「ちょっ・・・・光!!」
「馨、ゴメン!!!」
僕は、行かなければならない。
どうしても。
これだけは、知っておきたいから。
「さん!!!」
教室に、辿り着いた。
放課後だというのに、彼女は教室に一人。
独りで、椅子に座っている。
夕日を、一人で見つめて帰る。
これが、彼女の日課だから。
その事を知っている僕は、迷わず教室に来た。
「常陸い「ねぇ、好き!?」
彼女の詞を、遮る。
遮って、僕は話しを続ける。
「さんは、僕の事好き?!」
「子供っぽくて、感情が制御出来なくて、口が悪い時があって、独占欲強くて・・・・・なんか、良い所を捜すのが難しい僕を・・・・・君は・・・・・。」
君は・・・・・・。
好きですか?