「失礼いたします・・・・。」






























































どうしたら、良いのか



































































音楽室の、扉が開いた。

視線を向けると、彼女が、立っていた。

うわ・・・・もしかして、話を聞かれてた?

そうだとしたら、どうしよう・・・顔、見れないよ。

僕は、光の後ろに隠れる。彼女に気付かれない様に。





無意識の行動。

どうしてそうしたか、分からない。

ただ、今は、恥ずかしさの余り、彼女に見られたくなかった。




「やぁ、嬢。よくいらっしゃいました。
どなたを、御指名いたしますか?
今なら、馨が予定がありませんので、一日中御指名頂いても構いませんよ。」







きょ・・・・鏡夜先輩・・・何て事を言うんだよ。

僕、今いないっていう設定なんだから!!!

もう、空気になってるんだからさ!!





























「・・・・・・・・馨さん。」


「うわぁ!!!!!!!!」




咆驚した。咆驚だよ。

突然、後ろから話し掛けられるんだから。




「な、何・・・・?。」



心臓が、ドキドキする。

顔を近付けて、話し掛けられたら、余計に寿命が縮まってしまいそう。









あぁ・・・・。どうして、そんなに美しいの?












可憐だ。

その声、表情、僕を、見つめる瞳。

長くて、綺麗な漆黒の、黒髪。





美しい・・・・美し過ぎる。

ねぇ、どうして、そんなに美しいの。教えて欲しいよ。僕に。



「ほら、馨。行った行った。僕は、平気だからさ。」




光が、僕の背中を押す。

”頑張れ”って言われている感じだった。



「光・・・でも・・・・・。」


正直、嬉しかった。

だって、光に応援してもらえたから。

だけど、光を置いていくというのも・・・気が引ける。

僕達は、二人で一人の様なものだから。








「大丈夫だって。僕を信用してよ、馨。
僕だって、やる時はやるんだよ?安心していきなよ。
まぁ、寂しいけど・・・・・僕達の絆は、今まで通り・・・・だろ?」




「う、うん・・・・・・。」





僕は、頷くとの方を向く。

するとは、笑顔でこう言った。













「本当に、仲が宜しいのですね。馨さんと、光さんは・・・。
お互いを必要として、素晴らしいと思います。」


「いや・・・・・あのね?、確かに僕は、光の事が好きだよ?

けど、聞いて。僕は、が好きなんだよ。これは、友達としての”好き”じゃない。
”LIKE”じゃなくて、”LOVE”なんだ。異性として、一人の女の子として、を見ている。
だ・・・から・・・・その・・・・。」




































「僕と、お付き合いをして下さい。」
















遂に、言ってしまった。

人前で、告白しちゃった。

予定では、こんな筈じゃなかったんだけど・・・・。





もう少し、雰囲気を作ってから、告白しようっていう計画を立てていたんだけどな。
























「それは・・・・つまり、馨さんは、婚約をしたいと言う事でしょうか?」


「え?は?いや・・・・・婚約じゃなく・・・。」


「うん!そうなんだよ!!馨ってば、いつもいつも僕に”結婚したい”って言ってる位だから!
だからね、婚約を考えてやって。ね?さん。」


「ひ、光!!!!」



う・・・わぁ・・何て事言うのさ!!!

婚約。婚約だなんて!!!


にも、考える猶予があった方が良いと思うし、親同士の話し合いだってあるし。






それに・・・・・違い過ぎるかもしれないし。

継いでもらうなら、どんな男が良いっていう・・・・・・・・・・・・・・・あぁ、駄目だ。

悲しくなってきた。


でも、出来ることなら婚約したい。

と、結婚して、一緒に暮らしたい。


僕の夢はね、と暖かい家庭をつくる事なんだよ。それが、夢。




実現は困難だと思って、頭の中で想像するだけだった。




だって、現実は厳しいから。


































「分かりました。両親に、お話をしてみます。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え。」




一瞬、何を言われたのか分からなかった。

理解するのに、時間が必要だった。














考えて、くれる?

僕との婚約を?本当なんだろうか。




僕は、舞い上がっていた。

これから、どうなるか・・・・それは、誰にも分からない。