貴女は、何を考えているんだ?

俺には・・・・・分からない。

















































この い、通じるのか
























































彼女の、考えを知りたい。







今、何を考えているのか。







何を、思っているのか。







誰の事を、想っているのか。







彼女は、今、何がしたいのだろうか。







知りたい。何でも。

彼女の事ならば、全て。






俺は、彼女を捜した。


彼女・・・・彼女の名前は、




財閥の、一人娘。

彼女を、狙う人間は、数知れず。

それは、当然だろう。誰でも、敵に回したくない相手だから。

味方に、しておきたい相手だから。




だが、俺は違う。そういう意味で、近付いた訳じゃない。

確かに、何時もなら損得を考えたり、自分に利益があるかどうかを考えながら、動いていた。






でも、は・・・・・彼女だけは、違う。これは、はっきりと言える。

















何故、はっきりと言えるのか。



決まっている。俺は、を愛しているからだ。

愛している。一人の、女性として。




の為ならば、俺は、自分の家を継ぐ為の努力を止めて彼女の家を継いだって、構わない。

彼女の為ならば、何でもしてやりたい。俺が、出来る限りの範囲で・・・・。






































「此処に、いたのか。」



彼女は、図書館にいた。

昼休み、珍しく俺のクラスに来なかったので、捜していた。

大体の予想はついていたから、そのポイントポイントを、捜していたんだ。






「鏡夜さん・・・・。」

「俺のクラスに来なかったから、捜しに来た。何をやっているんだ?

来れないなら、来れないで、先に言っていてくれれば良いものを。時間を無駄にした。」



「申し訳ありません・・・・。」












時間を無駄にしたなんて、嘘だ。

寧ろ、他の奴に何かされていないか、心配で仕方がなかった。




俺は、どうしてこんな言い方しか、出来ないのだろうか。

心の中では、こんな事ではいけないと、分かっているのに。









を、傷付けてばかりじゃいけないと、分かっているのに。








こんな、言い方しか出来ない。俺には。



それなのに、は、怒らない。

愛想を尽かされても、仕方がない、俺の態度。

彼女は、微笑み、俺を見つめているだけ。

何も、言おうとしない。どうしてなのだろうか。























俺の事を、何とも想っていないのか?興味がない?









それは、悲しいな。

俺は、に興味があるのに。俺は、持ってもらえないなんて。

そんな事、あっていい筈がない。













































「なぁ、。婚約の件なんだが・・・・・・。」


「鏡夜様。その件は、今は止めましょう?」



















またか。












は、婚約の話だけは、絶対に最後までしない。

先程の様に、中途半端で終わってしまう。

どうして、その話しはしないんだ?

俺が、未来の夫になるのは、不服か??

そろとも、他に好きな男がいるのか?

将来を、誓った奴が・・・・・・・・。













もし、そうだとすれば、俺は、一体何なんだ?






何の為に、俺といる。

どうして、俺の恋人になったんだ。









俺は、こんなのは望んでいない。全く。































「それは、鏡夜。嬢に、好きな人がいるからだろう。」





部活のミーティング。

環に、そんな事を言われてしまった。
環に言われるなんて、俺も落ちたものだな。







「じゃあ、何故俺といる。俺は、何なんだ?の、何だ。ただ単に、は、恋愛を経験したかったと言うのか。

他の男は、一体どんな感じなのかを知りたいが為にか?そこで、運よく俺が告白した。お前は、そう言いたいのか?

どうなんだ?環。お前・・・がそんな女だと言うのか!ふざけるな!!」





「ちょ・・ちょっと待て。鏡夜。何も俺は、そこまで言っていないぞ。

ただ、他に好きな男が出来てしまっただけじゃないかと・・。」







「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」









だったら・・・何故、俺に言ってくれない。

そうだとしたら、すぐに言って欲しい。

そうすれば、傷は浅くて済むだろう?






あぁ・・・違う。駄目だ。

を、好きになった時点で、駄目なんだ。



彼女が、離れたら、傷は深くなる一方だろう。浅い傷では済まされない。

鋭い刃が、突き刺さり・・・抜ける事は、一生ないと思う。

例え、抜けたとしても、傷は癒される事はない。









「鏡夜も、鏡夜だ。何故、そんなに婚約を急かすんだ?」




「・・・・・・・・・・・・・。」





俺は、答えない。

言っても、何もならないだろう。弱音は、見せたくない。

そんなモノを見せた日には、俺は、敗北したと言う事だ。




















敗北・・・・その言葉は、嫌いだ。
だから、俺は、負ける様な勝負事をやるようなヘマはしない。







「暫く、婚約の話はやめたらどうだ。そんなにしつこいと、彼女、本当に離れるぞ。」


「黙れ。」







俺は、それだけいうと、音楽室を後にした。