写真の中の君は、美しかった。
記憶の。ナカ
写真を撮った。
”写真は、好きじゃない。”そう言って、嫌がる彼女と、一緒に。
二人だけ。二人だけの、写真。嫌々ながらも、撮った写真。
その頃の彼女は、笑っていて・・・・・美しかった。
幸せだった、俺達。
いつか、二人だけで・・・二人だけで、式を挙げようと約束した。あの日。
あの日は、一体、何処へいってしまったのか。
一緒に・・・住もうと、二人で約束した。
あの時間は、何処にも見当たらない。
あの時、彼女は嬉しそうだった。
俺も、幸せだった。
幸福・・・・あれが、あの感情が、そうなのだろうか。
彼女が、くれた。
与えてくれたんだ、俺に。
『居なくなったの。』
突然、言われた。
彼女が、行方不明だと。
新手の冗談かと思った。
また、彼女の友人が、驚かすためにした事だと。
なのに、友人は真剣な瞳で。
俺も、笑えなくなった。
__________嘘だ。
急いで自宅に戻り、彼女に電話を掛ける。
何回鳴っても、出る気配がない、電話。
いつもなら、すぐに出てくれるのに。
嬉しそうに、”雅治?”と、電話に出てくれる筈なのに。
今日は、出てくれない。
電話を持つ手が、震える。
結局、電話には出なかった。
どこに、行ってしまったのか。最後に会ったのは、二日前。
居なくなったのは、その直後らしい。
理由は、分からない。
俺にも、何も言ってくれなかった。
いつも笑顔で、俺と話をしていた彼女。
まさか、彼女が居なくなるなんて。
警察には、言っていないらしい。
言わなくて、良いのか?心配じゃないのか??
親ならば、その位するだろうに。
『の両親は、他の両親と違う。一緒に考えないで。』
の友人に、そう言われてしまった。
確かに、違う。
あそこは、異常。壊れてる。
だから、は、俺が護ると決めたのに。
居なくなってしまった。俺の目の前から。
二日前までの光景は、一体なんだったのか。
全てが、幻だった?
そんな筈はない。
幻なんかじゃ、ない。現実だ。
あの日、交わした約束だって、嘘じゃない。
あれを、嘘だと言うならば、何が、真実だと言えるのか。
俺は、あの時の言葉が、真実だと信じている。
捜そう。を。
それしかない。見つかるまで、待っているなんて嫌だ。
じっとしていられない。
にも、頼むしかない。俺一人の力では、難しいから。
。戻ってきてくれ。俺の元に。
は、戻ってきてくれる。
そう信じながら、俺は、を捜す決心をした。