「付き合って下さい!!!」


それが、に話し掛けた第一声。






















































ある日の思い出ー6ー
































































!!!」

そうだ、彼女が勘違いしたのはきっとあの日だ。

俺は、そう直感で感じた。

それ以外には思いつかない。

例え、教室でクラスの女子と話はしても、外では二人っきりでは話をしない。

するとしても、いつもも一緒だったからや。



「・・・・・・侑士。」

廊下で叫んだ俺に気付いたは、自分の名前が呼ばれた事に驚いた様子だった。

「話がある。」



誤解を解きたい。

そんな一心で、俺はの腕を掴む。

今掴んでおかないと、逃げてしまいそうやったからや。

「私は、話す事なんて無いよ。」

「俺はあるんや。」

俺はそれだけ言うと、を連れて屋上に向かった。














































「話って何?」

俺と二人っきりで居たくないのか、は俺に話をするよう急かしてきた。

「俺は、別れる気はない。」

「な・・・・・に・・・・?」

俺の言った言葉に、は目を見開いていた。

が何で別れたいって言ったのか、やっと分かったんや。

俺に対する態度が可笑しくなり始めたのが、確か誕生日の当日やったな。

その前日、俺はある人物と会っていた。」




















”在る人物”























その台詞の所で、の方がビクッとした。


間違いない。


そう確信した俺は、話を続けた。




「会っていた人物は、俺の姉貴や。姉貴と、姉貴の子供。」

「え・・・・・・。」

俯いていたは、”嘘だ”と言わんばかりの表情で俺を見た。

俺は、そんなに信用されてないんやろか。





「嘘や無いで?以前言ったやろ?俺には姉貴が居て、姉貴は結婚していて子供もいるって。
確か、が俺のマンションに来た時に家族の写真を見せたはずなんやけどな。」





そう、確かに俺はに、京都にいる家族の写真を見せたのだ。





「誕生日の前日に、姉貴が子供連れてやって来てな、誕生日プレゼント
買ってくれたんや。まぁ、その事を言わなかったから、は勘違いしたんやろうけど。」

「う、嘘・・・。だってあんなに夫婦みたいに仲良くて・・・。」

「俺の事、そんなに信じられへん?俺には、しかいないんやで?」

「・・・・・っ・・・。侑士!!!」

・・・・。」

「御免。御免ね・・・・疑ったりして。」

「えぇよ。俺が悪かったんや。」

「・・・・侑士・・・・・。」

が何か言いかけそうだった唇を俺は、
”もう、何も言わなくて良い”という意味を込めて、自分の唇で塞いだ。
















あぁ、やっと俺の元に戻ってきてくれた。

愛しい愛しい彼女。


長い時間、悲しませて悪かった。


だけどもう、悲しませないと此処で誓おう。


何があっても、手放したりはしない。


俺はもうしか愛せない。










・・・・さん?』

『はい?』

『その・・・・・唐突で悪いんやけど、俺と付き合って下さい!!!!』























あの日から、俺達の永遠は始まっていたんだ。