「よぉ。」

別れてから数週間。

突然、跡部とがやってきた。


























































ある日の思い出ー5ー
































































「なんや、お前等か。」




に別れを宣告されて、早数週間。

俺は、未だそのショックから立ち直る事は出来てはいなかった。

「お前、と別れたんだって?」





の言葉に、数週間前の事を思いだし胸が痛んだ。

「まさか、バカップルのお前等が別れるなんてな。」





























”バカップル”






































会う度に、跡部達から言われていた言葉。

その言葉に対し、俺は、









”えぇやろ? 俺達は仲えぇからな。”




そう言っていた。

しかし、別れた今となってはそんな事ももう言えない。

あの頃が懐かしい。

あの頃に戻って、もう一度やり直したい。

でも、同じ事を繰り替えすんやろか。

あんなにも幸せだった日々が、こんなにも脆く崩れ去ってしまうなんて。





「忍足、お前が見てない所で浮気でもしてたんじゃねぇだろうな。」


「そんな事、する筈ないやろ。そんなん自分が一番わかっとるやないか。」



俺は、跡部を睨み付けた。

そうだ、浮気なんてするはずがない。

そんな事、跡部には分かっている筈や。















高校に入って、に出会い俺は日々跡部に相談をしていた。
























『なぁ、跡部。どう話し掛けたらえぇんやろ。』

初めてを見掛けてから、俺はどうやって話し掛ければいいのかも分からず悩んでいた。

『あーん?そんなもん、普通に話し掛ければ良いじゃねぇか。』

普通。



そんな事は、分かっている。

でも、どんな話が普通なのか、本気の恋をした事がなかった俺には全く分からなかった。

『全く・・・テメェは肝心な事はウジウジ悩みやがって。』

『せやかて、分からないんやからしょうがあらへんやろ。
自分も恋をしたら分かることや。』

俺は、恋をしていない跡部に”恋をしてみろと”言った。

『はん。そんなもんしね・・・・・・・。』

何かを言いかけたまま跡部は、視線を一点に合わせたまま暫く動かなかった。

そう、跡部も俺と同じ状況に陥ったんや。


確か、この時から二人で本よ読んだり、必死に頑張ってたんやったな。

あぁ、今思い出したらかなり恥ずかしい事や。





「なぁ、浮気していないんだったら、が勘違いするような事をしたんじゃないのか?」

「俺がか?」

そんな馬鹿な。


の言葉に俺は、そう言い返そうとして思い留まった。

の態度が可笑しくなったのはいつだよ。」

それは、俺の誕生日の当日。

「だったら、それ以前にお前が何かしたって事だよな。」

あぁ、確かにそうや。

「浮気だと思ってしまうような事。他の女と歩いていたとかさ。」


「・・・・・・・・・!?」









まさか。

そう思ったのと同時に、俺は教室を飛び出した。