見つけたら、もう離さない。
今日、この日
、この場所で
俺の足なら、に追い付くのは、簡単な事。
だから、すぐに追い付いて、彼女の腕を掴んだ。
言ったでしょう?
俺は、次に会ったら離さないって。
だけなんだからね。
「この場所・・・・懐かしいね。は、覚えてる?」
「・・・・・・・覚えているよ。」
そうだよね。
お互いに、忘れられない場所だよね。
嬉しさと悲しさ、辛さが入り交じった感情が溢れてくる。
この場所に、もう一度来るなんて。
二度と来ないと思ってた。
だって、良い思い出ばかりじゃないから。
「一番初めに、時間が戻れば良いよね。俺は、どうしてもそう願っちゃうんだ。」
あの頃___俺達が付き合い始めた頃と、何一つ変わっていない。
変わったのは、この場所じゃなくて、俺達の関係。
「、もう一度やり直さない?」
俺は、今の素直な気持ちを、に伝えた。
は、とても困った様な・・・・唐突過ぎて、困惑している様な表情をしている。
「駄目だよ。無理、付き合えない。」
「どうして?」
「無理だから。」
は、それ以上を言わない。
理由を、言ってくれないのだろうか。
俺は、引きたくない。
だから、何度でも“やり直そう”と伝える。
けれどは、同じ言葉を繰り返すだけ。
「絶対に、無理!!」
「無理じゃないよ。付き合える。」
「どうして、そんな事が言えるの?」
「俺の気持ちは、あの時から変わっていないからだよ。」
はっきり言えるよ。
俺は出会った時も、別れた後も、今でも。
への想いが、全く変わっていないんだ。
初めての時よりも、想いが強くなっているのが分かる。
「此処から、やり直そう。」
俺は、手を差し出す。
は必ず、この手を握ってくれる。
きっとやり直せる。
再会出来た、俺達だから。
だから今日、この日、この場所から始めよう。
「宜しく、俺の恋人さん。」
俺は、彼女を見て微笑んだ。
