りなく、終わりに















































終わりにしたい。




















もう、終わりにして良いじゃないか。




















それなのに・・・・・それに気付く事が、なかなか出来なくて。



















俺は、何時になれば・・・・・気付く事が出来るのだろうか?


















終わって・・・・おわって、オワッテシマエバイイノニ・・・。



















































「よし!今日は、此処までにする。」















俺の声と同時に、倒れ込む部員達。













そんな彼等に近付き、はタオルを手渡していく。




















“お疲れ様、良く頑張ったよ。君達。”






















そんな声を、掛けながら。













部員、一人一人に近付いていく。













は、皆を平等に扱う。













誰ひとりとして、不平等にはしない。













だから、俺に対しても、周りと同じ様に対応する。














そう思った瞬間、何だか嫌な感情が、俺の中に入り込んでくるのが分かった。






















(なん・・・だ?この違和感は・・・・。)




















今までだって、そうじゃないか。














今日まで、は、同じ態度で接してきたじゃないか。















それを今更、どうしてこんな気分になる?
















可笑しい。















やはり、自分はどうにかなってしまったのか?














俺は・・・・・。













































「国光。」















名前を、呼ばれた。














その声によって、俺は現実に、引き戻された。















今、俺の目の前にはがいる。













俺のタオルを持った、が。




















「お疲れ様。」















そう言って、タオルを差し出してくる彼女。













嬉しいと思った反面、哀しいと思ってしまう自分がいる。













訳が解らない。














この気持ちに、気付くべきじゃないのだろうか。














気付いたら・・・・・一体、どうなる?











































キヅイタッテ・・・・カマワナイジャナイカ。





























誰かが、囁いた。













俺に向かって。














一体、誰なんだ?













この俺に、囁く奴は・・・・・。









































オマエハ、キヅイタッテイイハズダ。










































知らない。













一体、何に気付いていないんだ?













俺は、俺は・・・・・一体、何に気付いていない!!!!!














































「国光、一体どうしたの?本当に、大丈夫?」







「あ、あぁ・・・・何でも・・・ない。」
















タオルを受け取り、自分の肌に纏わり付いた汗を拭き取る。
















拭き取った後、深い溜め息が、自分の口から自然と出て来てしまった。















「今日の国光は、可笑しいね。何かあるなら、私に言ってみなさい。」







「何でもない。は、心配しなくて良い。」

















自分で自分が、分からなくなりそうだった。













自分の心には、濃い靄が掛かったまま。













何も変わることがない。














変化がない、この俺の心。













ふと気付けば、俺に囁いてくる声は、聞こえなくなっていた。