俺達は、間違っていない。
ゼロ
「おい、本当にコレなのかよ。」
「間違いあらへんて。俺が、捜したんやで?」
「フン・・・・・信用ならねぇな。」
俺達は今、あるモノを見つけ出した。
これは、俺達にとって必要不可欠。
これを欠いては、絶対にならない。
「しかし・・・・随分と、劣化しているな。」
「仕方ないんじゃないか?もう何百年も昔だぜ?保存状態が悪かったんだろうよ。」
だと良いが・・・・・。
これが、もしフェイクだとしたら?
偽者。
造り物。
贋作。
「・・・・・・まぁ・・甦らせてみるか。偽物だったら、それ相応の罰が待っているからな。」
「跡部、グズグズするな。」
「あーん?おい、真田。剣を振るうしか脳の無いお前に、この俺様が急かされる理由はねぇよなぁ?」
「何だと・・・・・?」
俺は、本当の事を言っただけだ。
真田は、剣術を見れば、天下一品だろう。
だが、魔術は弱い。
そして、感情的になると、周りが見えなくなる時が稀にある。
「まぁまぁ・・・二人共。喧嘩は止めないか?俺達が争っても、何も無いんだから。」
「幸村・・・・。」
「別に、争ってねぇよ。俺様は、本当の事を真田に言ってやっただけだ。」
幸村は、苦笑いをしてしまった。
全く・・・・コイツは時に何を考えているのか分からない。
この中で要注意人物は、幸村・仁王・忍足・・・・だな。
あの笑顔の裏で、何を考えているのか分からねぇ。
「なぁ、早くしようぜ。ジローも寝ちまう。」
「分かった分かった。ったく・・・せっかちな奴等ばかりだな。」
俺は、テーブルの上に魔法陣を描く。
この魔法陣は、最高の魔導師しか知らない。
否、例え下級の魔導師が、この魔法陣を描けたとしても、飲み込まれて死ぬだけだ。
誰も、死を急ぎたいとは思わないだろう。
「・・・・・・・・よし。そこに置け。壊すんじゃねぇぞ。そっとだからな。魔法陣も消すなよ?」
俺は、劣化しているモノを、魔法陣の上に置くように命じる。
これ以上劣化が進んだら、流石の俺でも無理だ。
「跡部、置いたで。」
「よし。全員、コレに血をやれ。数滴で構わない。」
「血?何でじゃ・・・。」
「契約が交わされねぇんだよ。“俺達を殺さない”という契約がな。」
殺されたい奴は、契約を交わさない。
それを知らない奴も、契約を交わそうとしない。
だから、殺される。
しかし、俺達は・・・・・死んではならない。
「さぁ、始めるぜ。」
俺達は、血を流す。
犠牲は、最小限が良い。